名伯楽・前田憲作の“マル秘”指導法「落ちこぼれそうな人に一番力を注ぐ」
――選手を指導する上で大事にしていることは?
前田:自分の型を押しつけるんじゃなくて、10人いたら10通り。その人の話を聞いてあげることです。不安に思っていることは? なにが得意なの? なにが苦手なの? そこからですね。普通のジムは一番力がある人に一番力を入れるんですけど、私は一番落ちこぼれそうな人に一番力を注いでいました。10人いたら10人を同じラインに立たせて、競争させる。選手たちに意識を持たせるということが大事だと思います。
小橋:「競争させちゃいけない」「順位をつけちゃいけない」という、ゆとり教育があるじゃないですか。でも僕たちは、競い合うことで根性をつけてきたし、前田さんの指導法はすごいなと思う。やっぱり名伯楽ですよ。
前田:普通のジムは長所を伸ばすことに力を入れるんですけど、私はまず弱点をズバッと言います。みんな弱い部分は目を背けたくなるんですよ。でも強くなるための第一歩は、自分の弱さを謙虚に認めて、その弱さを克服することなんです。そこから教えますね。
小橋:弱い部分は言われたくないですもんね、だれだって。
前田:負ける選手というのは、同じ失敗を繰り返します。社会に出てもそうだと思うんですけど、強くなる選手は同じ失敗を繰り返さない。それと小橋さんが言っていましたが、強くなる選手というのはしっかりと礼儀ができる子です。感謝の気持ちや誠実さを持っている。これは教育現場や一般企業でも活かせると思います。
――落ちこぼれそうな選手でも、指導法によっては伸びますか?
前田:伸びますね。手を差し伸べて這い上がったとき、本当にすごい力を発揮します。10年前に興行を打ったとき、選手が30人以上いたんですけど、それは落ちこぼれそうな子たちに力を注いだからなんです。だれかがチャンピオンになると、「一緒に練習しているこいつがチャンピオンになったんだから、俺もなれるはずだ」って勇気をもらえるんですよね。ライバルであり、仲間でもある。
小橋:前田さんの話を聞かなければいけない人って、いっぱいいると思う。教育者にしても、間違った政治家にしても。
前田:いま、いじめがすごく問題になっていますけども、私たちの世界では叩かれる痛みを知っているので、学校では教えられないことを教えられると思います。
尾崎ムギ子/ライター、編集者。リクルート、編集プロダクションを経て、フリー。2015年1月、“飯伏幸太vsヨシヒコ戦”の動画をきっかけにプロレスにのめり込む。初代タイガーマスクこと佐山サトルを応援する「佐山女子会(@sayama_joshi)」発起人。Twitter:@ozaki_mugiko
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