名伯楽・前田憲作の“マル秘”指導法「落ちこぼれそうな人に一番力を注ぐ」
――褒めて伸ばすというやり方もありますが、褒めることはありますか?
前田:あります。その人の個性によりますが、褒めすぎず、でも結果を出したときは一緒に喜んであげる。失敗したときは一緒に悔しがって、一緒に乗り越えていく。自分の弱さを謙虚に認めて、その弱さを克服することが強くなるということだと思います。大きな目標じゃなくてもいい。小さな目標でもいいから目標を持つことで、その目標を達成したときの喜びを教えてあげたいし、そうすると今度は大きな目標を作るものなんですよね。
小橋:まず目の前の小さな目標をクリアしていくことが大事ですよね。壁をぶち破って、小さな目標を達成していくこと。前田さんも僕もそれをやってきた人間だから、伝えていけることだと思う。こういうセッションで企業を巡業できますよ(笑)。
前田:企業も結局、チームなんですよね。強いチームを作るには、結束力が大事。強い人たちだけじゃなくて、落ちこぼれそうな人たちに力を注ぎながら、その中でも弱い子には自分の弱さを克服するための指導をする。チーム内での競い合いが大事なんだと思います。
小橋:だからドラゴンじゃなくて、「チームドラゴン」なんですね。
前田:そうなんです。
小橋:今回の連載を読んだ人はラッキーですよ。悩んでいる人にとって、一つのヒントになると思う。実際にトップ選手を育ててきた人が言うから、説得力があるんですよ。指導者じゃなくても、リーダーだったり、下の面倒を見なきゃいけない人だったり、前田さんの指導法はすごくためになると思います。
前田:いまアスリートの人たちって、セカンドキャリアがしっかりしていない人が多いんですよ。格闘技はとくに、引退と復帰を繰り返してしまう。それはそれでその人の道なので否定はしないけれども、小橋さんは新しい道を開拓していった人なので、すごくいい目標です。
小橋:これから前田さんとタッグを組んで、いろんなことに挑戦していけたらいいですね。
(了)
【PROFILE】
●前田憲作(まえだ・けんさく)
’68年5月9日、神奈川県座間市生まれ。1985年、シーザージム入門。シュートボクシングでプロデビュー。シンサック・ビクトリージムへ移籍し、高架下の空き地にサンドバッグを吊して練習する姿が話題に。’92年、キックボクシング日本フェザー級王座獲得。’94年、WKA世界ムエタイスーパーフェザー級王座獲得。’96年、映画『ろくでなしBLUES』主演。’99年、チームドラゴン結成。’02年、K-1 WORLD MAX 2002にて引退。’14年、K-1プロデューサー就任(’16年、退任)。現在はチームドラゴンジム会長として選手育成に励む。
●小橋建太(こばし・けんた)
(株)Fortune KK代表取締役。’67年3月27日、京都府福知山市生まれ。’87年6月、全日本プロレスに入団。“プロレス四天王”と呼ばれるレスラーの一人。2000年6月、プロレスリング・ノアに移籍。’03年3月、GHCヘビー級王座獲得。13度の防衛に成功し、“絶対王者”と呼ばれる。’06年6月、腎臓がんが発覚するが、2007年12月、奇跡のプロレス復帰を果たす。’13年5月11日、引退。現在はチャリティーや講演会など、幅広い活動を続けている。Twitter:@FortuneKK0327
構成/尾崎ムギ子 撮影/橋本一美
尾崎ムギ子/ライター、編集者。リクルート、編集プロダクションを経て、フリー。2015年1月、“飯伏幸太vsヨシヒコ戦”の動画をきっかけにプロレスにのめり込む。初代タイガーマスクこと佐山サトルを応援する「佐山女子会(@sayama_joshi)」発起人。Twitter:@ozaki_mugiko
■「チームドラゴンジム」新春キャンペーン中!
入会金50%OFF+先着10名様パンチンググローブプレゼントを実施中。
ダイエットや健康維持などから、真にチャンピオンを目指すプロ志望まで目的別に丁寧な指導を心がけています。是非一緒に楽しく汗を流しましょう!
http://dragondojo.co.jp/
■高山善廣選手応援「TAKAYAMANIA」の募金は小橋建太・FortuneKKでも受け付けております。
500円から募金を受け付けております。皆様からお寄せいただいたお気持ちは小橋建太が責任を持って全額高山選手にお渡しいたします。
https://tsuku2.jp/ec/viewDetail.php?itemCd=06950341210790
この連載の前回記事
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ
日刊SPA!の人気連載