物流や観光需要が急増するなかドライバー不足問題を解決するために必要なこと
長野県北佐久郡軽井沢町の国道18号碓氷バイパスで、定員45人の大型観光バスがガードレールをなぎ倒して道路脇に転落した軽井沢スキーバス転落事故から2年――。乗員は65歳の運転手と57歳の交代要員運転手の2人だった。こうした事故を繰り返さないためには、何が必要なのか? 最新の大型車に試乗しながら考えてみた。
西村直人=文 Text by Nishimura Naoto
現在、日本国内における運転免許保有者数は8220万5911人いる(平成28年版運転免許統計/種類別運転免許保有者数の年別推移)。このうち第一種免許保有者が8029万3853人もいるのに対して、プロフェッショナルドライバーの証でもある第二種免許保有者は、わずか約2.3%の191万2058人しかいない。さらに大型バスなどの運転に必要な大型第二種免許(大型二種)の保有者だけに限定すると約1.1%の94万2526人にまで減る。
運転免許保有者の100人に1人しか大型バスを運転できないのだ。
この大型二種の保有者は年々減少傾向にあり、ピークだった’87年の127万2775人から26%も減少。大型車ドライバーにも高齢化の波が確実に訪れている。
その一方で、物流業や観光業の国内需要が急増しているため、ドライバー1人にかかる負担は増大。’20年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて海外からの観光客がますます増加していくなかで、さらなる需要増は必至だ。
そんななか、ドライバーの運転操作に対する負担軽減のため技術開発に取り組んでいるのが商用車メーカー。’17年に登場した最新の大型トラックや大型バスは、すべてミッションにATを標準装備してきた。
そこで今回は、’17年に登場した最新の大型バス、大型トラック、大型観光バスのAT車に試乗してみた。

MTを運転できない若者が増えたから大型車でもATが当たり前の時代に
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