栃ノ心の出身国ジョージアが旧グルジアだって知ってた?――名前が変更された国々
大相撲初場所で春日野部屋に所属する西前頭3枚目の栃ノ心(30歳)が6年ぶりの平幕優勝を成し遂げた。今後の活躍にも期待が集まっているが、報道のなかで目にすることが増えた彼の出身地「ジョージア」。なにげなくスルーしてしまいがちだが、そんな国あったっけ?
アメリカのジョージア州ではない。れっきとした国である。ヨーロッパとアジア・中東の境目に位置している。おじさん世代にとっては、「グルジア」という名前ならば聞いたことがあるのではないか。かつては旧ソビエト連邦の構成国のひとつだった。しかし、1991年4月9日に独立宣言が出された。
グルジアという呼称はロシア語が由来だった。長年、日本ではグルジアと呼ばれてきた。だが、2008年のグルジア紛争以降、ロシアとの関係が悪化。2015年、「在外公館の名称などの一部を改正する法律」を受けて、英語読みの「ジョージア」に変更されたという。
さて、近年に国名や呼称が変更された国はジョージアだけではない。
ジョージアと関連して、まずはロシアから。1991年12月25日に崩壊するまで、ソビエト社会主義共和国連邦(ソビエト連邦)と呼ばれていたことは周知の通りだ。
ソビエト連邦は1989年まで、15の共和国によって成り立っていた。先述のグルジアを含め、ロシア、ウクライナ、ベロルシア、ウズベク、カザフ、アゼルバイジャン、リトアニア、モルダビア、ラトビア、キルギス、タジク、アルメニア、トルクメン、エストニア。1991年のソ連崩壊までにはバルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)が脱退していた。
ジョージア(グルジア)はもちろんだが、そのほか構成国もソ連崩壊に伴って、名前を変えるなどしている。
・ベロルシア⇒ベラルーシ
・ウズベク⇒ウズベキスタン
・カザフ⇒カザフスタン
・モルダビア⇒モルドバ
・タジク⇒タジキスタン
・トルクメン⇒トルクメニスタン
ユーゴスラビアの歴史も複雑だ。1918年にセルビア人・クロアチア人・スロベニア人によるセルブ=クロアート=スロヴェーン王国が成り立ち、1929年にユーゴスラビア王国と改称。1943年にユーゴスラビア民主連邦として建国を宣言。1946年に正式にユーゴスラビア連邦人民共和国となる。さらに、1963年にはユーゴスラビア社会主義連邦共和国に改称された。6つの国家から成る連邦国家だったが、1992年までの間にスロベニア、クロアチア、マケドニア、ボスニア・ヘルツェゴビナが独立。残されたセルビアとモンテネグロがユーゴスラビア連邦共和国を結成した。
しかし、2003年に国名をセルビア・モンテネグロに改称したため、実質ユーゴスラビアは消えた。ただし、ユーゴスラビアの名前は、かつて構成国のひとつであったマケドニアの正式呼称が「マケドニア旧ユーゴスラビア共和国」として残っている。
ソビエト連邦
ユーゴスラビア
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