森友問題で、安倍昭恵夫人がダンマリを続ける裏事情
森友学園への国有地売却問題で、国会が紛糾している。森友学園が開校を目指していた小学校「瑞穂の國記念小學院」の名誉校長に就任し関与が疑われている安倍昭恵・首相夫人は、いまだ沈黙を続けている。そんななかで、昭恵夫人の周囲から「きちんと話してほしい」との声も出てきている。
第1次安倍政権時代に海外のファーストレディの社会的活動に触発された昭恵夫人は、第2次安倍政権が成立すると、その立場を使ってさまざまな問題について発信を始めた。被災地をはじめ全国各地を飛び回りながら一人ひとりの声を聞き、震災復興やエネルギー、地域活性化、教育、環境問題など、さまざまなテーマに積極的にかかわった。
そのときの決まり文句は「(この問題について)主人に伝えます」や「主人と話し合っています」というもの。昭恵夫人の意見は、安倍政権の方針と異なることも多く“家庭内野党”とも呼ばれたが、首相に直接異論を伝える“陳情窓口”としての役割をすすんで買って出ていた。昭恵夫人と親しい、NPOスタッフのA氏はこう語る。
「首相周辺や自民党関係者から『邪魔をするな』『黙れ』などと迷惑がられ、さらには『離婚しろ』とまで言われていました。そんな昭恵さんが自由に動けていたのは、安倍首相が陰でかばい、その行動を黙認してくれていたからです」
そんな昭恵夫人がなぜ沈黙を続けているのか。官邸関係者のB氏はこう証言する。
「首相の側近中の側近である今井尚哉・総理政務秘書官が森友問題を取りしきっていて、昭恵夫人が森友問題について一切話さないよう、周囲を含めて厳しく締めつけているようです。そもそも、経産省職員の谷査恵子氏を夫人付秘書としてつけたのも今井氏です」
「防潮堤の見直しも脱原発も、“家庭内与野党不一致”で昭恵夫人の訴えは聞き流されてしまいました。しかし森友問題は“家庭内与野党一致”だからこそ進んだのです」と語るのは、昭恵夫人を長年取材しているジャーナリストの横田一氏。
「昭恵夫人には世論を動かす力はあっても、国や首相の方針を動かす力はありませんでした。つまりこれは“昭恵夫人案件”というよりも“安倍首相案件”ということ。昭恵夫人は、昨年2月17日に『(私や妻が関与していれば)総理大臣も議員もやめる』と国会で答弁してしまった夫の政治生命を守るために、幽閉状態を強いられているというのが実情でしょう」
“家庭内野党”として首相に異論を伝える
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