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安倍首相も小池都知事も「票を持ってこない者は死ね」と言っているのだ/倉山満

アキエ・アントワネット

言論ストロングスタイル

今年も“桜を見る会”を楽しんでいたという安倍首相の妻・昭恵夫人。昨年といい、夫妻は桜の時季に何かをしでかさねばならないという強迫観念でもあるのだろうか 写真/時事通信社

 日本国民は本気で覚悟した方がいい。日本政府は国民を殺す気だ!  麻生太郎は、リーマンショックで日本人を地獄に導いた。菅直人は、日本人を恐怖のどん底に叩き落した。安倍晋三は両方だ。ただでさえ消費増税の影響で景気の悪化はリーマンショックを超えている最中に、このコロナ禍である。安倍内閣は無能の限りを尽くしているのだが、それでいて働き者なのだから、なおさら始末に負えない。  この人物、空疎な記者会見を開くたびに「自分は頑張っているのだから感謝しろ」と国民に訴える。「戦い」などと勇ましい言葉遣いを繰り返す。だが、清潔で真面目で我慢強い国民が、政治家や官僚の無能を補ってくれていることへの感謝は述べない。  かつて東條英機という、大日本帝国を滅ぼした愚かな総理大臣がいた。  東條は個人としては超大まじめで、仕事熱心だった。仕事の邪魔をされるのが大嫌いで、特に自分の批判をされるのが何より嫌いだった。だから、邪魔者は、どんな些細なことでも許さず、いかなる手段を使っても排除した。時にこの世から。それでいて、忠誠心が高い側近には手厚く報いた。  別に安倍首相への嫌味ではない。だとしたら東條に失礼だ。東條の妻の勝子も傲慢な態度から蒋介石夫人の宋美齢になぞらえて「東美齢」などと憎まれたが、安倍昭恵夫人と並べられるほどではない。  昭恵夫人の奔放さは日本中が知っている。だが、空気を読めない態度にも限度がある。  2月26日、安倍首相は各種イベントの自粛と全国の小中学校の休校を要請した。よほど直前に決まったのだろう。萩生田光一文科大臣と事務次官も知らなかった。秋葉賢也補佐官に至っては政治資金集めのパーティーを開き、注意を受けている。本来ならば、萩生田・秋葉と言えば安倍側近と目される人だが、その人たちすら外された場で意思決定が行われているのだ。  首相の要請には何の法的根拠もない。だが、従わなければどうなるか。社会の同調圧力がやってくる。以後、椎名林檎もK-1も、活動自粛に追い込まれた。ホリエモンに至っては、脅迫まで舞い込んできたとか。  3月28日、安倍首相はさらなる自粛を求めた。「花見に行くな」とまで言い出した。何の根拠で言っているのか、首相のいつも通りの分かりにくい説明ではやっぱりわからないが、日本人はお人よしで我慢強いので、ほとんどの人は外出を控える。  その直前、首相夫人の安倍昭恵が芸能人を集めて桜を背景に写真を撮っている写真が流出した。  28日の記者会見で、首相は「私の不徳の致すところです」と謝罪から入るのかと思いきや、何事も無かったかのように国民に我慢を求めた。国会でも「レストランに桜があっただけで花見ではない」「写真の日付を確認しろ」と開き直る始末だ。  散々自粛を求めておいて、この言い方である。ちなみに日付は3月23日。花見の自粛は求めていないが、国民に我慢を強いている時期には変わりない。  まさに、アキエ・アントワネット。  マリー・アントワネットの御主人のルイ16世は国民の怒りを買ってギロチン台に送られたが、安倍首相も国民に頼みごとをするなら奥さんに言うことを聞かせてから出ないと、いつまでも日本人が我慢すると思われない方が良い。
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自民党に票を持ってこない者は死ねと言っている
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