更新日:2022年12月30日 09:26
カーライフ

トヨタ2000GTが1億円! 昭和の旧車が高値で売買される理由

昭和に誕生した国産の“旧車”を買い求める人が増えている。走らせるためにはそれなりのドライビング技術やクルマの構造の理解、さらには整備の技術、手間まで求められる旧車が、どうして再び脚光を浴びているのだろうか。そこには、単に「ノスタルジー」の一言では片付けられない理由があった──。
昭和の旧車28台が大集合

トヨタ2000GT

あの名車を今買う理由とは?

 ここ数年、ちょっとしたブームになっているのが、すでに生産を終了している昭和の国産車、いわゆる“旧車”。トヨタ2000GTが1億円、スカイラインGT-R(ケンメリ)は2500万円など、中古車専門店で驚くような高値で売買されているのを見かけることがある。  どうしてこの時代に旧車が人気なのか。モータージャーナリストの片岡英明氏が答えてくれた。 「今のクルマは性能的に文句なく、信頼性も抜群に高い。しかしどのクルマも金太郎飴のように似たデザインで、しかも大きいために持て余しちゃうんですよね。一方、旧車は小さくてもすぐに車名がわかるくらい主張も個性も強い。一言で言うと、開発者の顔が見えるんです。それに、今のクルマのようにコストダウンしていないのもいいですね。最近のクルマはダウンサイジングしていますが、旧車は小型車枠でも6気筒やロータリーエンジンもあるなど、バリエーション豊富。さらにエンジン音も魅力的です」  自動車生活探検家の石川真禧照氏も旧車の魅力についてこう語る。 「作り手である自動車メーカーの技術者が、販売台数など気にせずに、作りたいクルマを作っていた時代のクルマ、というのが今の国産車にない魅力と言えます。生産化へのGOサインを出す役員たちが『面白い』という理由だけでOKサインを出すことも多かった。例えばトヨタのセラやMR2、日産の初代GT-Rなどはその一例です」  古さゆえにトラブルも少なくない旧車。しかし昭和の時代の各自動車メーカーの情熱と個性が詰まったこれらのクルマには、それを補って余りあるほどの魅力が溢れているのだ。 【片岡英明】 モータージャーナリスト。自動車専門誌の編集者を経て、昭和61年にフリーの自動車評論家として独立。独自の視点からニューモデルを分析し、デザインや素材などにも強いこだわりを持つ。ファミリー系のミニバンやワゴンについての執筆が多い 【石川真禧照】 自動車生活探検家にして、日本自動車ジャーナリスト協会副会長。日本だけでなく、ヨーロッパやアメリカでの取材にも積極的で、各国の自動車事情にも詳しい。試乗するクルマの台数は、年間200台以上 ― 懐かしの旧車が大集合 ―
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