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バンコクの一流店で包丁を振るう日本人女性。タイで料理修行5年、ついに日本で開店へ

新店では自分が好きなタイ料理を出す

 そして今年5月9日。バンコクのスワンナプーム国際空港から東京へと向かう機に、六波羅悠子は搭乗していた。『Nahm』での研修を終えた彼女は、1週間ほどでバンコクを発った。  長野県でオープンする古民家を利用した新店は、’18年6月にオープンを予定している。本記事の執筆時点でまだ店名も決まっていないタイ料理店では、北タイ料理、南タイ料理とジャンルにこだわることなく、六波羅がバンコクで食べていて好きだったメニューを置くそうだ。  コンセプトは、「タイ人にとってのソウルフード的なタイ料理と酒」。コース料理を味わいつつ、それに合わせた酒を楽しんでもらう。古民家では宿泊もできるよう準備中で、料理と酒を味わってもらったあと時間が許すなら宿泊してもらいたい。そう話してくれた。  自家農園の野菜で味わうタイ料理。そして酒。そのうえ宿泊もできるのは、日本で唯一のタイ料理店だろう。
古民家

タイ料理店として利用する古民家は改築を進めている最中だ(執筆時点)

 六波羅がバンコクへ移り住んだのは’13年。’18年にバンコクを離れるまでの5年間、どのように過ごしていたのかは彼女が発した言葉によく表れている。最後に紹介するのは、本帰国を決めた際、Facebookに投稿した一文を抜粋したものだ。 ======= 10か月の料理留学のはずが、気づけば5年以上が経っていました。食べては作り、作っては食べ、身体中にタイ料理を染み込ませようとあがいてきました。 永遠はなくて、いつかこんな日が来ることは分かっていたけど、まだ受け入れきれていない自分もいます。それぐらい、きっとひとが想像するその何万倍も、あたしはここでの毎日を、心から心から愛してた。市場やバイタクのない暮らしに戻ってゆくのはとても寂しいし、毎日なに食べたらいいのか分かんないし、自分が自分でなくなっちゃうような大きな不安も感じます。 でも前向きな、そして前に進んで行くための帰国でなければいけないと思ってる。1人では出来なかったことばかりです。友達や先輩や、そして通い続けてくれた生徒さんたちには、感謝でいっぱい。何百回やっただろうね、レッスン。日本から遊びに来てくれた皆さんも、ありがとう。 =======  六波羅が手がけるタイ料理店への問い合わせは、インスタグラムのアカウント(@minowa-thai)で受け付けている。バンコクでタイ料理のことばかりを考え学んできた六波羅が担うタイ料理店だけに、どんな店になるのか今から楽しみだ。<取材・文/西尾康晴>2011年よりタイ・バンコク在住。バンコク発の月刊誌『Gダイアリー』元編集長。現在はバンコクで旅行会社TRIPULLや、タイ料理店グルメ情報サイト『激旨!タイ食堂』を運営しながら執筆活動も行っている。Twitter:@nishioyasuharu
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