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ミシュランで星を獲得したタイの大衆食堂が「星を返上したい」と漏らした理由

 仏ミシュランが、2017年12月に発表したタイ初のレストラン格付けガイドブック『ミシュランガイドバンコク2018』。ミシュランガイドがアジアで発売されたのは2007年の日本が初で、東南アジアでは2016年のシンガポールに続きタイが2か国目だ。

 ミシュランガイドバンコク2018で星3つに選ばれたレストランは0軒。星2つを獲得したのは「Asia’s 50 Best Restaurants」でナンバーワンに選ばれた『Gaggan(ガガン)』、フレンチレストランの『Le Normandie(ル・ノマンディ)』、同じくフレンチの『Mezzaluna(メッツァルーナ)』の3店舗。

 星1つが14店舗で、バンコクでは合計17店舗のレストランが星を獲得した。高級店と言われるフレンチや寿司、イタリアン、タイ料理店が並ぶ中、17店舗中もっとも注目されたのは一軒の食堂だった。

タイ食堂とはいえメニューの価格は高級レストランより上


 2016年に発表されたミシュランガイドシンガポールで特に話題となったのは、星を獲得した屋台「香港油鶏飯麺」と「吊橋頭大華猪肉麺」の2軒だ。ミシュランガイドで格安店の選出は初めてとあり、発表後は3時間待ちの行列ができたほど注目を集めた。

 今年のミシュランガイドは、シンガポールに負けない屋台文化を持つタイだ。バンコクでミシュランの星をつかむ屋台や格安店があるのか。さまざまな憶測が飛び交ったなか、1店舗だけ選ばれた食堂が旧市街地にある「Jay Fai」である。

 どこにでもあるような大衆食堂の外観。厨房は店舗外に設けられ、店主がフライパンを振っている。看板すら出ておらず何の特徴もない食堂だが、何も知らず入店し、メニューを目にすると黙って席を立ちたくなるだろう。

 カニの身入りカイジアオ(卵焼き)が1000バーツ(約3400円)。ラートナーと呼ばれるあんかけ麺は400バーツ、クイッティアオ(タイラーメン)が500バーツと、食堂とは思えぬ価格が設定されている。それでも同店の評判は高くミシュランガイドの評価につながった。

 一晩で注目の的となった「Jay Fai」。発表直後は「2時間待ち」という噂も耳にしたが、実際の様子を取材すべく店へと訪れた。

数日先までフルブッキング


「今日はすでにフルブッキングなんです」

「Jay Fai」の女性店員は申し訳なさそうな顔で私に告げた。2時間待ちという噂を聞いていたので、開店時間に合わせ14時に来店したが店前にはすでに行列。しかも彼らは空席を待っているのではなく予約済みの客ばかりで、私のように飛び込みで来た者など入店できる余地がなかった。

タイ食堂

開店直後から客が殺到する食堂『Jay Fai』

 客席のそばに設けられている厨房施設では、ジェイファイさんがフライパンを片手に、「Jai Fai」の目玉メニュー「カニの身入りカイジアオ」を調理している。周囲にはカメラやスマホを持った人々が動画、写真を撮影し、あたかもスーパースターのようだ。

 女性店員に聞くと「翌々日まで予約で埋まっている」という。ヨーロッパでは影響力が低下していると言われるミシュランガイドだが、バンコク初の発刊だけに「Jay Fai」に与えた影響力は凄まじかった。

 けっして若くないジェイファイさんだが、開店14時から閉店22時までフライパンを握り、卵焼きを調理し続けているのは常軌を逸した体力だ。


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ミシュランガイドの星を返上する!?

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