街中でランニングシャツを着るための工夫とは?
【モードをリアルに着る!オム Vol.14/小林直子】
猛暑日が続くと、家の中にいるときぐらい着るものは最小限にしたいと思うのは、男性も女性も同じでしょう。男性で最小限の着るものといったら、ショートパンツにランニングでしょうか。しかしこのランニング、家の中にいるだけで、家族以外は誰にも見られないというのならどんなものをどのように着ようと構いませんが、それで外へ出るとするならば、少しばかり工夫が必要でしょう。
ランニング姿のまま外にいても違和感が全くないのはジョギングしている人たちです。ランニング、正式にはランニングシャツはその名のとおり、スポーツ用のシャツです(ちなみにタンクトップは、手元にある文化出版局から出ている『ファッション辞典』によると、男性用の水着であるタンク・スーツの上部からヒントを得たランニング型のシャツだそうで、ランニングと大差ありません)。
ランニングはスポーツウエア。だとしたら、スポーツウエアと合わせてしまえば、スタイル全体の違和感はなくなります。
では、そんなランニングをモードな雰囲気に着るにはどうしたらいいか、モードとスポーツを融合させたブランドであるY-3のコレクションのルックから考えましょう。
Y-3は、2002年3月にスタートした、山本耀司がクリエイティブディレクターを務めるアディダスにおけるスポーツウエアのブランドです。アップされていた動画の耀司さんのインタビューを見ると、自分からアディダスに声をかけて始めたということで、Y-3が耀司さんの肝入りのブランドであることがわかります。
さて、そんなY-3の2018年の春夏コレクションから、ランニングを使ったこのルックですが、見たところ、どこがどうモードなのか、何がいいのか、わかりにくいだろうと思います。また人によっては、「こんなの別におしゃれじゃない」と言うかもしれません。しかし、耀司さんは昔から、「立ち去ったときに何を着ていたか覚えていないぐらいがちょうどいい」とそのファッション哲学を述べていらっしゃいますので、さりげなくて、強烈な印象を残さないぐらいが、男性のおしゃれにはちょうどいいのです。
このルックでは、スタイル全体を黒と白の2色でまとめています。また使われている黒も、グレーに近い黒と濃淡がついています。シルエットはランニング、ショートパンツ、トラックジャケットともどれもゆったりしたリラックスシルエットです。
シルエットとは、身体と衣服の間に存在する空気の体積の大きさです。その時代の気分はこの体積の加減によって表現されます。今の気分はこの少し大き目なシルエットですから、スポーツウエアもこのようなシルエットのものを着ることによって、よりモードらしく見えるようになります。
ランニングシャツはスポーツウェア
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ファッション・ブロガー。大手ブランドのパターンナー、大手アパレルの企画室を経て独立。現在、ファッション・レッスンなどの開催や、ブログ『誰も教えてくれなかったおしゃれのルール』などで活躍中。新刊『わたし史上最高のおしゃれになる!』は発売即重版に。新刊『お金をかけずにシックなおしゃれ 21世紀のチープシック』が発売中
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