日本レスラー VS 外国人レスラーのような面白さ
――クワレスを始めたきっかけは?
垣原:物心ついたときから、クワガタが大好きだったんです。雑木林でヤブ蚊に20箇所くらい刺されながらも、飽きずにずっと見ていました。いまだに樹液の匂いを嗅ぐと興奮します。2006年にプロレスを引退して、プロレスはもうできなくなった。じゃあ、クワガタでなにかできないかなと思ったのが始まりですね。
――クワレスを通して、子供たちにどんなことを伝えたいですか。
垣原:環境問題に切り込んだイベントをやるときもあるんです。温暖化とか、一番は外来種問題。ホームセンターで外国のクワガタが安価で買えるんですけど、それをポイポイ逃がしてしまうのが問題になっているんです。そこで、日本のクワガタと外国のクワガタを闘わせて、「こんなに強い外国の虫を逃がしちゃダメだよね」ということを伝えたいんですよ。
――日本人レスラーと外国人レスラーの闘いのような面白さがありますね。
垣原:そうなんです。日本のオオクワガタって、体は小さいのにすごく強いんですよ。それと、ハルク・ホーガンとかアンドレ・ザ・ジャイアントみたいなクワガタを闘わせる。もちろん外国のクワガタが勝つことが多いんですけど、稀に日本のクワガタが勝つ場合があるんです。プロレス的な面白さがありますよね。
――クワガタを掴んで無理やり闘わせるのかと思ったのですが、クワガタが自ら闘うのがすごいなと。
垣原:クワガタにも個体差があるんですよ。好戦的なクワガタもいれば、すぐに心が折れて逃げてしまうクワガタもいる。クワガタって、そこに意味がないと闘わないんです。エサ場争いとか、メスを奪い合うとか。命の危険がありますから、無闇には闘わない。でも、生まれながらの喧嘩屋みたいなクワガタもいて、そういう奴を目利きできる僕が選んでいます。生き物ですから、相性もありますね。
――相性があるというのも、プロレスですね。
垣原:藤波vs長州、越中vs高田のように、名勝負数え歌みたいな(笑)。
――8月14日(火)に後楽園ホールで開催される「カッキーライド」で、垣原さんは鈴木みのるさんと初対戦されますが、そちらも名勝負になりそうな予感がします。「一番やりたくない相手」とおっしゃっていますが、いかがですか?
垣原:鈴木選手は新生UWF時代の先輩で、新弟子の頃、かなりしごかれましたからね。僕はヘビに睨まれたカエルのように固まってしまうのか、逆に火がつくのか、どちらの自分が出るのか楽しみではあります。
――カードを組んだのは、実行委員長である息子さん(垣原つくし)ですよね。どんな意図で組まれたのでしょうか。
垣原:(つくしさんを呼んで)実行委員長、説明してください。
つくし:去年、藤原喜明さんと対戦してボコボコにやられている父を見て、もっと高い壁を用意しようと思ったんです。
垣原:制裁マッチってこと?(笑)
つくし:そうです(笑)。もう一つ、よく父から「鈴木さんにいじめられた」という話を聞いていたので、リング上だと先輩後輩がないですから、やり合えるんじゃないかなと。
――頼もしい実行委員長ですね!
世界中が高山善廣にエールを送る――強さとはなにか?<最強レスラー数珠つなぎVol.17 #1> では、高山選手を支援するイベント「TAKAYAMANIA EMPIRE」(8月31日・後楽園ホール)を応援する大会にしたいとおっしゃっていました。
垣原:今回のテーマは、「集え! Uインター魂」です。高山選手が入門したUWFインターナショナルの世界観を打ち出すことで、高山選手にエールを送りたい。とにかくTAKAYAMANIAを応援する大会にしたいと思っています。
【PROFILE】垣原賢人(かきはら・まさひと)
1972年、愛媛県新居浜市生まれ。89年、新生UWF入門。91年、UWFインターナショナル設立に参加。96年、第11代WAR認定世界6人タッグ王者に輝く。99年、全日本プロレス入団。プロレスリング・ノアを経て、02年、新日本プロレス入団し、翌年、ベスト・オブ・スーパージュニアXで初優勝する。06年、椎間板ヘルニアに起因する第4・5頸椎損傷により引退。クワガタを愛するネイチャーボーイ「ミヤマ☆仮面」として活動を始める。2014年12月、悪性リンパ腫に犯されていることを公表。2017年8月、カッキーライドにて藤原喜明とのシングルマッチでリング復帰した。公式HP:
http://miyamakamen.com/
<取材・文/尾崎ムギ子>
尾崎ムギ子/ライター、編集者。リクルート、編集プロダクションを経て、フリー。2015年1月、“飯伏幸太vsヨシヒコ戦”の動画をきっかけにプロレスにのめり込む。初代タイガーマスクこと佐山サトルを応援する「佐山女子会(
@sayama_joshi)」発起人。Twitter:
@ozaki_mugiko
■カッキーライド
日時:2018年8月14日(火)
会場:後楽園ホール
開場:17:30
開演:18:30
<対戦カード>
★メインカード
・UWFルール(30分1本勝負)
鈴木みのるvs.垣原賢人
・UWFルール(30分1本勝負)
藤原喜明vs.冨宅裕輔
★ダブルバウト
・UWFルール(30分1本勝負)
中野巽耀 vs.ロッキー川村
山本健一 佐藤光留
・UWFルール(20分1本勝負)
鈴木秀樹vs.中村大介
★スタンディングバウト
・キックルール(3分3R)大江慎レフェリー
野村卓矢vs.伊藤崇文
公式Twitter:
@kackyride2018
■TAKAYAMANIA EMPIRE
日時:2018年8月31日(金)
会場:後楽園ホール
開場:17:30
開演:18:30(全7試合)
放送:Abema TV生放送
チケット:Makuake(マクアケ)※クラウドファウンディング
https://www.makuake.com/project/takayamania2018/
主催:(株)髙山堂/TAKAYAMANIA実行委員会
協力:TAKAYAMANIAの皆様