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偶然は存在しない…自分の意識がどう働いているのか分かるようになる「メンタルルール」

いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第61回

風呂上がり 自分に起きた出来事とそれに対する思考を記録し、その奥底にある信念を掬い上げる「気づきのメモ」を続けると、徐々に自分の意識がどんな風に働いているのかがわかるようになってきます。

 先日、私のクライアントは星占いのサイトを見ていて、ふと「なぜ自分は占いについて調べているのだろう」と疑問に思ったそうです。その直前、彼女は自分がパワーストーンと星占いにハマっていた時期のことを思い出していました。お風呂から上がって髪を乾かしていた時に、たまたまリビングに飾ってあるパワーストーンに注意が向き、それをきっかけに昔の趣味を思い出したそうです。

 家に飾ってあるパワーストーンにふと注意が向き、それで「パワーストーンと星占いにはまっていた時期」を思い出し、星占いに興味が移ってサイトで調べようとした。そう考えると確かにしっくりくるかもしれません。しかし、このクライアントはさらにもう一段階深い気づきに至ります。彼女はお風呂に入る前に星型のブレスレットを探していたことを思い出し、これが星占いに興味を持った本当の動機だと確信しました。つまりパワーストーンから星に興味が移ったのではなく、彼女の行動は最初から「星」をテーマにしていた、ということです。

「ふと」「たまたま」を排除する方法


 これが人間の意識の働き方です。論理的には「星」から「星占い」に繋がるのが無駄もなく妥当と感じるかもしれません。しかし、心理はもっと複雑に動きます。まず「星」から一旦離れて、「パワーストーン」に注意が向き、「パワーストーンと星占いにはまった自分」を思い出してから、「星占いについてネットで調べる」という過程を踏むのです。

 この過程を進行中に認識するのは人間には不可能です。私たちの論理的思考は五分と続きません。必ず意識が中断されて、「ふと」や「たまたま」というニュアンスが思考や行動が入り込みます。しかし「気づきのメモ」によってこうした心理に敏感になると、徐々に自分の行動理由の深い部分がわかるようになってきます。このクライアントが自分の心の動きに気づけたのも、普段から自分の行動と思考を振り返り、記録するようになったからです。

「ふと」や「たまたま」と感じることを減らせば減らすほど、主体的に生きられるようになります。そして、その主体的に生きられる状態こそが自由です。しかし私たちはこのメカニズムを知らずに、ただ論理だけで物事を成就させようとします。「こうすればこうなる」という理屈を作り上げ、それを実行しようとしては挫折します。仕事も勉強もダイエットも全部そうです。私たちは分かりやすい論理をただ分かりやすいというだけで盲信し、実際にはもっと複雑な心理を無視するせいで、「何も思い通りにならない」と苦しみます。

 本当の意識の働き方、つまり「心理」を知らない限りは、思い通りになるかどうか以前に、そもそも自分がどんな思いを抱いているかも理解できません。「気づきのメモ」はそのメカニズム、そして自分を奥底から動かしている信念に気づけるように考案しました。

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「気づきのメモ」の取り方

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