「自分がよくわからない」という人は答えを一つに絞ろうとするから
―[魂が燃えるメモ/佐々木]―
いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第60回
「自分がどうすればいいのかわからない」「自分が何をしたいのかがわからない」
仕事や恋愛、家族関係で大きなトラブルを抱えた時に、私たちはそう悩みを口にします。その時初めて、何となくわかっているつもりでいた自分のことが、実はそうではなかったと、自らの言葉によって明らかになります。
とはいえ「自分とは何か?」と問いかけたからといって、いきなり答えが見つかるものでもありません。なぜなら、私たちはその答えが「一つに決まる」と思い違いをしているからです。漢字の書き取りや計算問題の答えは一つかもしれません。しかし、「自分とは何か?」という問いの答えはたくさんあります。その一つ一つを認めていくという地道な作業が必要なのです。
明るい自分。暗い自分。真面目な自分。怠けがちな自分。物事に寝食を忘れて熱中できる自分。飽きっぽい自分。他人の成功を祝福できる自分。人のせいにばかりしている自分。一人の人間の中には、様々な自分がいます。なぜなら私たちは生まれた瞬間から、家庭や学校や会社で様々な経験をして、様々な感情を抱くからです。強い感情を抱く度に、異なる自分が生まれます。
色々な経験をして、そのたびに色々な自分が見つかっていくのに、あえて一つに絞ろうとするから、 それが人生が滞る原因になります。言わばアクセルとブレーキを同時に踏んでいるような状態です。
「色々な自分を見つけたら、かえって迷うのでは」と心配になるかもしれません。「野球選手になりたい、でもサッカー選手にもなりたい」という二つの自分を見つけても、目指す道とできる行動は一つです。だからこそ「自分はこういう人間だから、この道を進もう」と一つに絞りたくなるのも道理です。
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コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中
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