人はなぜ、急にお金持ちになったりモテたりしないのか?
―[魂が燃えるメモ/佐々木]―
いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第81回
物は空間で計ります。マクドナルドのポテトもドリンクも、SサイズよりLサイズの方が高価です。自動車も軽自動車より大型セダンの方が高価です。ダイヤモンドも、小さいダイヤより大きいダイヤの方が高価です。
一方、心は時間で計ります。私は今まで一度も野球をしたことがありません。そんな私が「プロ野球選手になる」と言っても説得力がありません。他人はおろか自分ですら信じられないでしょう。
小学生の頃からリトルリーグに参加していたりするから、プロ野球選手になるために努力する気も起こります。高校生まで何の運動もしてこなかったから、そもそもなりたいとすら思いません。
ハウツー本はこうした時間要素を無視しています。過去を考慮せず、現在と未来だけを切り取って、「できるできる」と焚きつけます。だから作業的には誰でもできるはずの内容が三日坊主で終わります。
お金を稼ぐのも異性にモテるのも、今すぐ誰でもできるわけがありません。お金を稼げるのはお金についてそれなりに時間をかけたから、異性にモテるのも異性についてそれなりに時間をかけたからです。
プロスポーツにはタイムリミットがありますが、お金や恋愛にはありません。大人になってからでもチャレンジする価値があります。メンタルレコーディングは自分が何に、どれだけ時間をかけてきたのかを確かめる技術です。
成功には並々ならぬ努力が必要です。普通ならやめるような状況でも続けなくてはなりません。その気力は時間から生まれます。それならば自分が最初から時間をかけていたものを選ぶのが道理です。
その目安になるのが思春期です。中学生や高校生の頃に感動して、熱中したものは天職になりえます。私は中学生の頃からナポレオン・ヒルの「思考は現実化する」を読んでいました。働いているわけでもないのに、自己啓発に魅せられていました。
そして、今はこうして「自分らしく生きる方法」を教えています。20代は誰かの成功法則の受け売りをするだけでした。それが30代でオリジナル性が出てきて、時にはクライアントさんに涙を流して感謝してもらえるくらいになりました。
そういったことができるようになったのも10代からの積み重ねのお陰です。ミケランジェロは「これほど熟達するまでに、どれほど熱心に取り組まねばならなかったか、人々が知ったなら、さほどすばらしいとは思ってくれまい」と言いました。私の道のりにも魔法はありませんでした。きっとあなたの道にもないと思います。
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コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中
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