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「自分の本心を知る」方法は「ググる」のと同じ。キーワードからさぐれ

いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第62回

自分の心を知る 私たちは「思考」を人間にとって最高のものと考えています。確かに科学技術が発達し、生活が便利になったのも考えることができたからです。しかし、その一方でヨガや瞑想が盛んなインドでは「思考は酔っ払ったサルのようなもので、落ち着きがない」とも言われています。

「一体どちらが真実か」とジャッジしようとするよりも、「どちらも正しい」と考えたほうが妥当です。誰でも「我ながら冴えてるな」と小躍りしたくなるような閃きもあれば、答えの出ない悩みを抱えて延々と思考の迷宮に彷徨うこともあります。ただ、そのどちらが多いのかと言ったら、残念ながら後者でしょう。「気づきのメモ」は後者から前者へ、思考の迷宮から抜け出し、直感や洞察、そしてその基盤となる信念に気づくために行います。

 しかし「言うは易し、行うは難し」です。「何気ない日常の出来事から自分の考えを記録し、その考えから浮かび上がる過去の出来事に共通する信念を探り当てましょう」と言われても、それだけではメモ帳の前で何もできずに固まってしまいます。そこで今回は「気づきのメモ」の具体的なやり方をお教えします。決め手になるのはずばり「キーワード」です。

あなたにとってのキーワードとは?


 先日、沖縄にいる私のクライアントが彼女とオープンカーでドライブに出かけたそうです。彼はその時のことについて、「全く車に興味のなかった彼女が、ずっとオープンカーに乗りたいと思っていた僕よりもテンションが上がるという、全く想像していなかった出来事に一番、衝撃を受けました」と記録しました。

 ここでポイントになるのが、「一番、衝撃を受けた」です。本来ならば自分の念願が叶ったのですから、ドライブを満喫したことが一番印象に残るはずです。しかし実際はそうはならずに、自分よりテンションが高い彼女に衝撃を受けたのだから、ここにまだ自分が気づいていない自分が隠されています。

 このメモをクライアントは「自分が長年温めていた価値観で、彼女自身が気づいていない新しい楽しさを与えられたのが始めての経験だったので、とても「衝撃」だったのだと思いました」と続けました。ここまでくると「たまたま起きた一回きりの出来事とその感想」ではなくて、「これからの未来に繋がる信念の学び」になります。

 なぜなら「好きな女性を喜ばせる」のは男の矜持だからです。ちょっと上から目線で女性には抵抗があるかもしれませんが、「こいつを幸せにしてやろう」と思うから仕事を頑張る、というメカニズムが男にはあります。彼は今回の体験と記録を通して、その心理の一端をつかんだのです。それは彼女との接し方だけでなく、仕事にも影響を与えます。人間は表面的な考えだけでなく、その奥にある想いに沿って行動します。

 『インディ・ジョーンズ-最後の聖戦-』という1989年の名作映画があります。ハリソンフォード扮するインディと、ショーン・コネリー扮するその父ヘンリーが聖杯を巡ってナチスと争う冒険活劇です。この作品の後半で、瀕死の重傷を負った父を助けるために、インディは聖杯の眠る古代遺跡を探索します。

 冒険活劇なのでコンビニに雑誌を買いに行くのとは訳が違います。遺跡には神の3つの試練と呼ばれる罠が仕掛けられており、これをクリアしなくては聖杯にはたどり着けません。インディの前に挑戦した雑兵たちは、一つ目の試練「神の息」で首を切断され命を落とします。

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信念、自由、自分らしさ、直感とは?

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