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柔道部の暴力的指導は傷害レベル…失神癖のついた元部員が告白

呼吸ができずに、目と顔に無数の赤い点々が

 呼吸ができずに苦しむ時間はおよそ1分ほどだろうか。しかし体感時間は10分にも20分にも感じられるほど、長い。そして1分間の絞め地獄の後はしっかりと締め落とされ、活による蘇生がなされ、そしてまた絞め技タイムが始まる。 柔道 当時の乱取り稽古は1回4分間×10本の計40分。乱取りとは通常1本ごとに相手を変更して稽古するのだが、捕まったら最後、40分間まるまるコーチの指導を受ける羽目になる。40分が終わったころには、首を圧迫され続けた影響による鬱血で目と顔に赤い点々が無数に出来る。これは命にかかわるような症状ではないのだが、とにかく痛々しい。  また、現役時代何度も締め落とされていた筆者は「落ち癖」が付き、少しの圧迫でも落ちる体質になってしまった。  この環境は筆者が過ごした柔道部だけで行われていたわけではない。外部の学校へ練習に訪れた際も同じような目に合う選手を何度も目撃している。

日本代表による、行き過ぎた指導も

 超強豪校では暴力的な指導がさらにハードになる。全国大会でも上位入賞する学校では、前述したような指導を行うコーチのレベルも違う。選手として国内大会、国際大会でも上位に入り、日本代表に選出されるレベルのOBがコーチとして指導することが多く、そうしたOBが実行犯になることも多い。指導者が強ければ強いほど選手が抗うのは事実上不可能になる。  しかし超強豪校ともなると選手のレベルも高くなるため、実績のある最強コーチよりも選手のほうが強いなどということも稀にある。コーチも自分の立場を守るため、間違ってもそういった選手を標的にはしない。したがって標的となりやすいのは軽量級でコーチがたやすくしごける選手が中心となる。これはどんなに真面目に練習をしていても抗えない現実なのだ。  実行部隊のコーチも現役時代は同じようなしごきを受けていたことがほとんど。それが代々受け継がれ、当時は前述の暴力的な指導が当たり前のように伝統化していた。筆者が柔道部として過ごしていたのはもう数年も前の話だが、現在はこのような悪しき習慣が改善されていることを祈るばかりである。
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スポーツ界の暴力的指導・パワハラはなくならないのか
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