パワハラ指導者から学んだ“体育会系社員”が職場で問題を起こす
レスリング、アメフト、ボクシング、体操協会のパワハラ問題が連日報道されている。スポーツ団体の閉鎖的な体質とそれに抗う姿を世間に訴える若い選手。特殊なムラ社会の出来事とも思えるが、これはスポーツの現場に限った話ではない。
パワハラ指導者から学んだ体育会系が、職場で問題を起こすという負の連鎖が起きているのだ。組織論に詳しい金子智朗氏は、優秀な体育会系も多いと強調しつつ、日本企業の体質も問題を助長する一因だと指摘する。
「上司に服従して身分保証してもらう封建制度が根づいています。部下は思考停止。『おかしい』と思っても、声を上げられません」
今、職場で体育会系の問題が頻発する理由を、ジャーナリストの溝上憲文氏はこう分析する。
「近年は職場に派遣社員、外国人、女性などさまざまな人がいます。男性的な縦社会しか知らない体育会系が働くのは難しいのです」
※『週刊SPA!』10月23日発売号「体育会系バカ列伝」より
取材・文/週刊SPA!編集部 アンケート/エコンテリサーチプラス 写真/産経ビジュアル
下記アンケートによると「職場で体育会出身者の言動がマトモじゃないと感じる人」が半数以上いることが判明。この職場での体育会系の問題とスポーツ界のパワハラ問題の関連性を主張するのは、大学ジャーナリストの石渡嶺司氏。
Q.職場の体育会出身者に対して、言動がマトモじゃないと思ったことはありますか?
よく感じる:18%
たまに感じる:24%
1回でも感じたことがある:16%
一切ない:42%
※25~40歳の会社員200人に実施したアンケート(’18年10月4~5日)
「体育会系の学生に大きな影響を与えるのは指導者の存在。箱根駅伝4連覇中の青山学院大の原監督は学生の自主性に任せる今どきの指導者で、こういう人の下で学んだ学生がダメな体育会系になるケースは少ないです。実際は上が絶対という古い指導者が多く、日大アメフト部の内田前監督はこちら。指導を受けた学生は社会に出て厄介な体育会系になり得てしまいます」
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