「自動運転」というフレーズが珍しくない昨今。と同時に「どうせ、〇〇限定とか条件つきでしょ?」など、世間のイメージと実態の乖離にガッカリすることもしばしば。我々がイメージする自動運転車とは、「行き先を設定すれば、あとはクルマが目的地まで安全に運んでくれる」というもの。そんな“真の自動運転車”はいつになったら登場するのか?
西村直人=文 Text by Nishimura Naoto
もちろん日本政府も普及を後押しする。内閣府の戦略的イノベーション創造プログラムのなかで自動運転を担当するSIP-adus(自動走行システム)では、自動運転技術の導入プランを、次の3つに絞り込んだ。
①自家用車(乗用車)
②物流サービス(商用車)
③移動サービス(Mobility as a Service、通称MaaS)
このなかで法的整備を含めて普及が最初に見込めるのが②で、このカテゴリーに属する大型トラックの場合、’25年までには高速道路での隊列走行を可能とし、同時にそれに必要な法整備も目指すという。隊列走行とはカルガモ走行とも呼ばれるもので、先頭車両にのみドライバーがいて運転操作を行うと、5G相当の高速通信回線でつながった後続車とそのまた後続車は無人、つまりドライバーレスで先頭車両に追従する自動走行状態が保てるというもの。ここではアクセル&ブレーキだけでなくステアリングも一定の範囲内で自動制御される。
一方、①についても開発は急ピッチで進む。各国の自動車メーカーから毎日のように新情報が発信されているので、「明日にも手放し運転可能では?」と思ってしまうが、乗用車は販売台数が多いことに加えて、混雑した都市部や曲がりくねった郊外路のほか、歩行者や自転車の認識も行い緻密な制御をしなければならない。越えなければならない技術的なハードルは大型トラックよりもうんと高い。
法的整備にしても責任問題はじめ、議論が始まったばかりだ。