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ロボット世界最長遠泳でギネス世界記録を樹立!エボルタNEOくんの軌跡を振り返る

 単3乾電池「エボルタNEO」を動力とするロボット「エボルタNEOくん」が、今年も快挙を達成!

エボルタNEOくんとロボットクリエイターの高橋智隆氏

 広島県廿日市市の宮島口から世界遺産・嚴島神社の大鳥居まで約3kmの遠泳に挑戦し、広島湾を泳いで渡り切るとともに、乾電池を動力としたロボットのギネス世界記録に認定されたのだ。

嚴島神社の大鳥居まで広島湾を単3乾電池2本だけで泳げるのか?

 パナソニックが、乾電池「エボルタ」の長もち&パワーの実証実験を目的に、2008年から毎年実施しているこのチャレンジ企画では、これまでグランドキャニオンやフィヨルドの登頂、トライアスロンや世界最長距離有人飛行などに挑戦してきた。  今回の挑戦は、「乾電池を動力にしたロボットが泳いだ世界最長距離(Longest distance swum by a robot on a single set of AA batteries)」で、乾電池でどれだけ長い距離を泳げるかを競うというもの。

木製サーフボードにのったエボルタNEOくん

 乾電池の日(十一月十一日※プラス<十>マイナスの<一>)の前日である11月10日(土)に、嚴島神社付近の海でエボルタNEOくんが世界最長遠泳記録に挑戦し、見事ギネス世界記録を樹立した瞬間、嚴島神社で見守ったエボルタNEOくんファンはもちろん、たまたま現場に居合わせた観光客、ニコ生ユーザーらも歓喜にわいた。

天候は絶好の遠泳日和。しかし……

 チャレンジ当日は、波も穏やかな秋晴れで絶好の遠泳日和。スタート前には多くの人が、サーフボードに乗った身長約17cmのエボルタNEOくんの成功を確信していたに違いない。少なくとも、記者は楽勝だと思っていた。

チャレンジ当日は秋晴れ! 海も穏やかだったのだが……

 ところが……。  出発式のあと、開発したロボットクリエイターの高橋智隆氏に導かれ、順調にスタートをしたエボルタNEOくんを見送った後、ひと足先に宮島に船で移動してエボルタNEOくんのゴールを待とうと思ったところ、高橋氏とエボルタNEOくんがスタート地点まで戻ってきた。

スタート時の高橋氏とエボルタNEOくん

「いったい何が!?」  原因は広島湾に浮いている藻。今回エボルタNEOくんは、単3乾電池「エボルタNEO」2本を背に、長さ約35cmの木製サーフボードにうつぶせに乗ってパドリングするように水をかいて進んでいたのだが、嚴島神社付近の海に浮いていた藻が絡まって進めなくなるというトラブルに見舞われたのだ。

キレイな海だが、よく見るとところどころに藻が漂っていた

 もちろん関係者は、事前に藻の存在は把握していたが、実際に泳いでみるとその量は半端なく、1回目はスタートで失敗となり引き返さざるを得なかった。

懸命に泳ぐエボルタNEOくんに新たな試練が!

 ギネス世界記録の挑戦では失敗は2回までOK。トータル3回まで挑戦できるのだが、高橋氏によるメンテナンス中、2回目のスタートを待っている間に現場の空気は微妙に。天候などのコンディションは申し分ないものの「今日は難しいんじゃないか……」といった雰囲気が漂った。  そんな心配をよそに、約30分後2回目の挑戦がスタート。我々の心配をよそに、何事もなかったようにエボルタNEOくんは淡々と泳ぎだした。

今度は大丈夫か?

 高橋氏をはじめ、帯同するスタッフが懸命にエボルタNEOくんの進路に浮遊する藻を除去しながら見守ることで、今度は順調に岸から遠ざかっていった。

エボルタNEOくんの進路の藻を丁寧に除去する高橋氏

さらにその前方で藻を除去する通称・藻取りクルー

 今度は順調に進んでいることを見届けて記者は対岸の宮島に移動。これで、あとは待つだけと思っていたのだが、はるか遠くにポツンと見えるエボルタNEOくんらの一団が、なかなか大鳥居のほうに近づいてこない。 「順調に遠泳距離は伸びているけど、ちょっと流されてないか?」  懸命に進もうとパドリングするエボルタNEOくんは、進行方向の左から右に流れる潮の影響で、徐々に右に流されていたのだ。

グルグルグルグル~っ!

高橋さん待って~

先は長いな~

 それでも一生懸命に腕をグルグル回してパドリングを続け、少しずつ軌道修正しながら大鳥居を目指したエボルタNEOくん。ニコ生では、誰もが知っている応援ソングが流れるなかでゴールを目指す姿は、まるで世界水泳やチャリティマラソンのようだ。

子どもたちも旗を振ってエボルタNEOくんと高橋氏に声援を送っていた

藻にも潮の流れにも負けず予定を大幅に超えてギネス世界記録を樹立

 藻にも負けず、潮の流れにも負けず、着実に大鳥居に近づいていくエボルタNEOくん。

大鳥居まであと少し!

 そして、リスタートから3時間22分後、当初予定していた約2.5kmを大幅に上回り、約3kmも泳いで無事ゴール。9月25日に大阪のパナソニックの工場を出発し、44日かけて400㎞の道のりを歩いて11月8日に宮島口に到着。11月10日にギネス世界記録を樹立したエボルタNEOくんの長い挑戦が終わった――。

ついにゴール!

ギネス世界記録を樹立しました!

 ギネス世界記録樹立の公式認定証の贈呈が終わると、公式認定員の佐藤コーマ氏から「エボルタNEOくん」にサプライズが! 記録達成を祝い「がんばったね」と書かれた旗をもらい、エボルタNEOくんは「超気持ちイイ~♪」と旗を振って喜びを表現した。

 こうしてエボルタNEOくんの世界最長遠泳への挑戦は幕を閉じた。果たして次回は何に挑むのか? エボルタNEOくんの挑戦は続く(たぶん)。乞うご期待! ●エボルタチャレンジ <取材・文・撮影/日刊SPA!取材班 写真/パナソニック> 提供/パナソニック
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