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意外と知らないスーツの裏技。仕上げの「シングル」と「ダブル」はどう使い分ける?

 メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第203回目をよろしくお願いします。
メンズファッションバイヤーのMB

メンズファッションバイヤーのMB。「『おしゃれに見える』にはちゃんと理由があるんです」が持論(撮影/難波雄史)

 今回はスーツの裏技3つをご紹介。「ジレの正しい使い方」「シングル裾とダブル裾の違い」「メガネの賢い利用法」をお教えします。

ジレを足すと脚長に感じる理由

意外に知らないスーツの疑問 スーツ量販店などに行くと、「ジレ(ベスト)」がセットになっている「3ピーススーツ」を見かけます。「冠婚葬祭用だろうし、普段はベストなんて必要ない」「ベストなんてどう着ていいのかわからない」と、なんとなく敬遠しがちな方も多いでしょうが、ぜひ一度試してみてください。  ジレが入ると何がいいのか、まず1つは「脚長効果」です。これは写真を見ても明白ですが、鏡の前で試してみてください。パンツと同じ素材のジレを差し込めば、腰の位置がどこから始まっているのかわからなくなり、脚長に感じさせることができます。  顔半分を手で隠した風俗嬢を見てやたら美人に感じるのと同じですが、人は見えない部分を「理想的な形に脳内補完」させる機能があります。隠してあるからこそ、理想の鼻や口を想像してしまう、腰位置が隠されているからこそ理想の脚長体系を想像してしまう。ジレで腰を隠すことで錯覚を起こし、スラリとスタイリッシュに感じさせることができるのです。  また、もう1つのジレのメリットは「体型隠し」です。シャツだけでは中年特有のお腹の出っ張りを隠しきれません。ネクタイが入ればお腹の凹凸で浮いてしまうのでなおさら。ところがジレを入れてしまえば、お腹の凹凸はかなりの割合で隠せます。ジレがネイビーや黒などのダークトーンならばなおのこと、凹凸は暗い色に隠れて目立たなくなるからです。

薄手素材のスラックスはダブル仕上げがおすすめ

意外に知らないスーツの疑問「スラックスの仕上げはダブルになさいますか? シングルになさいますか?」と聞かれて、戸惑ったことがあるのは私だけじゃないはず。そもそもスーツのスラックスの「シングル」と、ひと折り追加する「ダブル」にはどんなの印象の違いがあるのでしょうか。  ひとつ大きな要素としては「ダブルのほうがクッションがつきにくくなる」ことが挙げられます。春夏薄手素材のスーツではありがちですが、スラックスの生地と靴下が噛んでしまい、裾部分に変なシワが生まれることが度々あります。  スラックスはシワがつくとどうしても野暮ったく、短足に見えてしまい、せっかくのスラリとしたシルエットを邪魔してしまいます。そこで、そうした薄手素材こそダブルがおすすめです。ダブルにすることで裾部分に重さが加わり、下方向に引っ張る力が生まれます。すると、靴下やすね毛に生地が噛んでも、裾の重さでスラリと綺麗なシルエットに見せてくれるのです。  量販店では「ダブルのほうがクラシックな印象があり、シングルのほうが若々しいモダンな印象がある」など、その程度の説明しかしてくれませんが、上記の「クッション」を念頭にどちらかを選んでみてもいいでしょう。薄手の素材でシワがつきやすいものはダブルにするのもおすすめですよ。
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