皇族に人権はない。当たり前の事実を、日本人は忘れてしまったのか?/倉山満
―[言論ストロングスタイル]―
皇族に人権はない。いつから日本人は、こんな当たり前の事実を忘れてしまったのか。
日本国が保障する人権とは、日本国憲法第3章に書かれている「国民の権利」の事である。同章には、第13条の生命自由幸福追求権から第40条の刑事補償まで、人権カタログが並んでいる。憲法典に書かれていない権利は第13条の幸福追求権に含まれるので、日本国が保障する人権とは、憲法が認める国民の権利のことなのだ。
さて、皇族は国民ではない。そもそも戸籍がない。皇統譜という、皇族のための特別の名簿で分けられる。
さらに現実は過酷で、義務だけあって権利はない。参政権、居住移転職業選択の自由、婚姻の自由のすべてが存在しない。幸福追求権(本来の意味は財産権)は極めて制限されている。名誉棄損も、され放題である。普通の人間なら「奴隷的拘束」としか思えないような境遇で、朝から晩まで働き通しである。
普通の国の王族は義務の見返りに特権を享受しているが、我が国の皇族の方々は慎ましやかに暮らしている。日本を守るためだ。
皇室とは日本そのものである。日本とは、神話の時代にさかのぼる万世一系の皇室をいただく国なのである。初代神武天皇の伝説以来、我が国は一度も途切れることなく、この国の形を守ってきた。それが嫌な変わり者もいるだろうが、事実は事実である。皇室を守るとは、日本を守ることなのである。
現在、御世代わり直前の皇太子殿下より若い親王(男性皇族)は、秋篠宮と悠仁の両殿下しかいない。このまま悠仁親王殿下がご即位の時、殿下より親王は一人もいなくなる。
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中
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