皇族に人権はない。当たり前の事実を、日本人は忘れてしまったのか?/倉山満
天皇の男系子孫というだけでは皇位継承資格はない
20年ほど、男系か女系かの二者択一の議論が行われてきたが、いずれにも問題がある。
いくら男系子孫であっても、近衛文麿が皇族や天皇になって良いわけがない。五世の孫の原則があるからだ。同時に、内親王がフリーターを連れてきて結婚するまでは認めても、その配偶者が皇族になり、その二人から生まれた子供が皇族や天皇になって良いわけがない。我が国にこれを認めた先例は一つもない。皇室を議論する上で、最も大事なのは先例である、歴史の中から吉例を発見するかにあるという点については、議論の余地がない。
一方、元皇族と旧皇族の皇籍復帰は多くの先例がある。特に一例ずつあげる。定省親王は、当時の藤原氏の圧力により臣籍降下させられ源定省となったが、皇籍復帰して第59代宇多天皇となられた。臣籍にあった源定省の子が源維城であり、父の皇籍復帰に伴い親王宣下され維城親王となった。後の第60代醍醐天皇である。
宇多天皇は元皇族から、醍醐天皇は旧皇族から天皇となった先例である。いずれも寛平の治、延喜の治で知られる名君である。
今こそ皇統保守のために、どなたに皇統に復帰していただくかを具体的に議論すべき時が来た。こうした際、「人権」を持ち出す論者がいるが、目もくれる必要はない。皇統保守は、婚姻の自由に優先する。
あえて言う。皇族に人権はない。だからこそ、皇族は貴いのだ。
―[言論ストロングスタイル]―
憲政史研究家 1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『噓だらけの日本中世史』(扶桑社新書)が発売後即重版に![]() | 『嘘だらけの日本中世史』 著者累計48万部突破!ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作は、鎌倉、南北朝、室町、戦国時代の嘘を暴く! ![]() ![]() |
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