手作りの料理もふるまわれ、お酒も飲み放題。吉沢さんがファンに気を遣い、お酌する場面も。オフ会に参加すること自体が初めてという人もいれば、デビュー当時から10年来のファンもいたが、吉沢さんのファン同士、すぐに打ち解けていった。 　和気あいあいと、これまでの軌跡を振り返る。かつて所属していた事務所からAVデビューさせられそうになったこと、グラビアのDVDを発売したがまったく売れなかったことなど、過去の思い出話に花が咲く。 「あるトークイベントに吉沢さんが出演したとき、下ネタがすごくて。面白い人だなって、好きになったんです」（ファン） 　吉沢さんが、牛のコスプレ（吉沢牛）や大胆にバストを強調した水着姿を披露すると、即席の撮影会が始まる。 　ちなみに、このビルの住人は、吉沢さんともうひとりをのぞき、すでに退去済み。もうひとりの住人は吉沢さんと仲が良く、事前にオフ会をやることを伝えてあるため、いくらドンチャン騒ぎをしても問題ない状態。こうして、あっという間に宵は深まっていくのだった――。 「なんだか学生時代の飲み会を思い出します。やっぱり楽しいですね」（ファン） 「次に自宅でオフ会をやるとしたら、また引っ越しのタイミングかな。たぶん、8年後とか……そのときも来てね！」（吉沢） 　お風呂やトイレ、キッチン、ソファー、冷蔵庫など、この部屋にあるすべてが、実際に使われてきたものだ。 　まるで、初めて“彼女”の家を訪れたときのような……いや、ファンにとっては、それ以上に感慨深い経験だったのかもしれない。＜取材・文・撮影／藤井厚年＞
明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスで様々な雑誌・書籍・ムック本・Webメディアの現場を踏み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者として活動中。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。趣味はカメラ。X（旧Twitter）：＠FujiiAtsutoshi