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「皇位継承問題」で無視される安倍総理の意向/江崎道朗

皇室の伝統を変える気満々の内閣法制局

 これに対して安倍総理は「男系男子が古来例外なく維持されてきたことの重みを踏まえ、慎重かつ丁寧に検討したい」(’19年3月20日、参議院財政金融委員会)という答弁を繰り返している。  ところが、だ。  ’17年10月、内閣法制局は『憲法関係答弁例集』という冊子を作成し、天皇問題などについての見解をまとめているのだが、驚くことに、ここには男系男子による皇位継承を重んじてきた歴代政府の見解、特に安倍総理の答弁は一切掲載されていない。  代わって、近年の答弁では、横畠裕介内閣法制局長官の次の答弁だけが掲載されている。 「皇統と申しますのは、天皇の血統、血筋ということでございます」(’17年6月1日、衆議院議院運営委員会)
言論ストロング

右下が内閣法制局長官の横畠裕介氏。「男系男子が古来例外なく維持されてきたことの重みを踏まえ、慎重かつ丁寧に検討したい」という答弁をする安倍総理の意向を無視し、内閣法制局は男系男子でなくとも皇位継承は可能だと示唆している(※写真は首相官邸公式Twitterより)

 要は天皇の血筋なら男系男子でなくとも(つまり女系でも)皇位継承は可能だと示唆しているわけだ。皇室典範改正論議に多大な影響力を発揮する内閣法制局は、皇室の伝統を変える気満々とみるべきだろう。果たして内閣法制局の暴走を安倍総理は止めることができるだろうか。
(えざき・みちお)1962年、東京都生まれ。九州大学文学部哲学科卒業後、石原慎太郎衆議院議員の政策担当秘書など、複数の国会議員政策スタッフを務め、安全保障やインテリジェンス、近現代史研究に従事。主な著書に『知りたくないではすまされない』(KADOKAWA)、『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』『日本占領と「敗戦革命」の危機』『朝鮮戦争と日本・台湾「侵略」工作』『緒方竹虎と日本のインテリジェンス』(いずれもPHP新書)、『日本外務省はソ連の対米工作を知っていた』『インテリジェンスで読み解く 米中と経済安保』(いずれも扶桑社)ほか多数。公式サイト、ツイッター@ezakimichio

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 ’17年、トランプ米大統領は中国を競争相手とみなす「国家安全保障戦略」を策定し、中国に貿易戦争を仕掛けた。日本は「米中対立」の狭間にありながら、明確な戦略を持ち合わせていない。そもそも中国を「脅威」だと明言すらしていないのだ。

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