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「イギリスの飯はマズい」はもはや過去? 外食レベルが上昇した理由

EUを離脱してもイギリス飯はさほど影響を受けない

「メディアでは人気シェフを“セレブ”として扱い始めています。コンペティションの機会も増えて若く優秀なイギリス人シェフが大勢育ちました。食産業に関わることはクールだとの認識が、今の若い世代にはあるはず」(江國氏)
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ガストロパブで憩うロンドナーたち。美味しいパブ飯とビールは生活の基本だ

 前述のような「EU離脱の影響で、イギリス飯がマズくなるのでは?」という懸念に対して、チョムカ氏は「ロンドンはさほど影響を受けないだろう」と分析する。 「レストランは素材の調達方針や調達先を変更する必要が出てくるかもしれませんが、最近では可能な限り国内産を使おうという動きが主流です。何よりロンドンは回復力が半端なく高いですからね」  長年ロンドンのレストランで変化を目の当たりにしてきた石川氏も、同様にこう予測している。
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北ロンドンにある有数のガストロパブ「The Bull & Last」のシーフード・プラッター。各誌が選ぶ、ベスト・ガストロパブの常連でもある(2019年秋まで改装中)

「EU圏から入ってきた質の高い食材に刺激を受けて、最近は野菜、魚や肉、ワインも含め、国内でもレベルの高い食材を提供する生産者が増えています。今後はイギリス人たちがさらに自国の食文化に誇りを持ち、進化させていくことになるでしょう。ミシュラン・レベルのレストランでは、イギリス人の祖先の味でもある北欧料理と融合した感じにもなっていくと思いますね。期待できます」  イギリス飯はどんどんウマくなっている。たとえEUを離脱しても独自の発展を遂げていくだろう。 <取材・文/週刊SPA!編集部> ― [イギリスの飯はマズい論争]最終決着 ―
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