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ドラマ『集団左遷!!』で主人公を好演中の福山雅治が明かす「50歳論」

 現在放送中のドラマ『集団左遷!!』(TBS系)で主人公の銀行マン・片岡洋を演じている福山雅治。廃店の運命にある支店の支店長に任命されるが、上層部の命令に疑問を抱き、部下とともに廃店を撤回させる“下克上”に挑むという、これまでの彼にはない役どころが話題を呼んでいる。天が己に与えた使命を知る「知命」を迎えた男・福山の今の心境とは。

僕に才能があるとすれば“しつこさ”だと思う

――今回演じられている片岡ですが、多摩川の土手をはじめ毎回必死に走ったり、モチベーションの低い部下たちを一生懸命励ましたりする姿がとても印象的です。 福山:あんなに走り回ってあんなにデカい声で叫んで、さらには顔芸までして、普通のサラリーマンじゃないですよね(笑)。スーツを着た“武士”とでもいうか、僕はある種のヒーローっぽさを感じて演じさせてもらってます。片岡は本部では次長だったので仕事ができない人ではないんですが、決してアイデアマンではありません。でも逆にアイデアマンではないからこそ、みんなを引っ張るイノベーターとして、困難な状況を突破することができるのではないか?とも感じているんです。 ――片岡は上から「頑張らなくていい」という言葉をまるで呪いのようにかけられますが、もし福山さんが同じことを言われたら? 福山:僕個人は「頑張らない」でいることはできないと思います。個人事業主ですから(笑)。ただ、世の中の多くが「組織」で成り立っていることは理解できます。そこで働く上司と部下の関係性のなかで「頑張らないでくれ」という指示が存在してもおかしくはない。僕も組織人だった場合、片岡と同じ年齢、同じ立場になったとして「頑張らなくてもいい」と言われたら、もしかしたらそっちを選んでしまうかもしれない。 ――「個人」と「組織」、現実的には簡単に答えが出せない命題です。 福山:もう一つ厄介なのが、三上博史さん演じる横山常務の存在。彼は単にパワハラだとかではなく、彼なりの「正義」で組織を守ろうとしている。実は「正義」のない人ってそんなに怖くないと思うんです。けれども「組織として真っ当な正義」を掲げる人は怖い。そこに片岡がどう立ち向かっていくのかが、ドラマの大きな見どころだと思います。 ――片岡を表すもう一つの言葉に「あきらめない」があります。 福山:僕は自分の仕事においてはとにかく「しつこい」人間です(笑)。その意味では「あきらめない」タイプだというふうに自覚しています。もし僕に才能があるとすれば、それは「しつこさ」だと思います。
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僕は「あきらめの悪いしつこい中年」
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表紙の人/ 福山雅治

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