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発達障害の人を救う、誠実で実践的な体験談/鴻上尚史

生き抜くためのノウハウがある

 大学までは、試験の成績もよく、少し変わった性格だと思われても、ちゃんとやってきたのに、「社会に出たとたん、マルチタスクがこなせなかったりケアレスミスが多かったり、人間関係でトラブルを起こしやすかったりして、発達障害の特性が表面化する」ことがあります。  問題は、発達障害の結果、失敗を重ねて自信をなくして卑屈になったり、激しいストレスからさまざまな病気になったりして、「発達障害そのものより二次障害のほうがしんどい」という現状になってしまうことが多いことです。
発達障害

※写真はイメージです

 対策として、筆者は、さまざまな人に会い、さまざまな体験を知り、生き抜くためのたくさんのノウハウを紹介しています。 『15歳のコーヒー屋さん 発達障害のぼくができることから ぼくにしかできないことへ』(岩野響/KADOKAWA)という本を読んで、「発達障害を抱えてドロップアウトした人でも、特性を活かせば自分らしく生きられるのだと希望を持てた」という発達障害の男性の言葉を紹介しています。  彼は、都内の大学を卒業後、新卒で入った会社で人間関係に悩み1カ月しか続きませんでした。  僕に「私は発達障害です」と相談を送ってくる人は、孤立している人が多いです。  著者の姫野さんは、発達障害のグレーゾーンであることに苦しむ人達が集まり、話し合う茶話会「ぐれ会!」に参加して、その様子を紹介しています。  あきらかに発達障害と思われるマンガやアニメ、映画の主人公の名前をみんなで話す、という企画は、なるほどと思いました。  また、発達障害傾向のある人達に対して就職に向けた支援を行う福祉サービスも紹介しています。  この本を読んで「自分は発達障害だったのか」と気付く人もいると思います。根本の原因を理解しないで、二次障害に苦しんでいる人も多いのです。  この本で、一人でも多くの人が楽になったり、救われたりしたらいいなと思います。
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