更新日:2023年04月18日 11:15
エンタメ

<純烈物語>純烈分裂!? 酒井&小田井は別ユニットで紅白を狙う!?<第8回>

「白と黒とハッピー~純烈物語」第8回

リアルを超えたリアリティーを描く 純烈分裂、白組と紅組で紅白を目指す!?  晴れのNHKホール初ワンマンが、酒井一圭(44歳)と小田井涼平(48歳)古株ゆえの解雇という、必要以上の現実感からスタートするとはいったい何人の純子と烈男が予想しただろうか。こうしたバカバカしさにコーティングされつつも、リアルを超えたリアリティーを描くのが「マッスル」の真骨頂。  まるで現実離れしていては笑えないし、かといってそのまま描いてもこれまたエンターテインメントとかけ離れたものになってしまう。このあたりが、ストーリーを書いたスーパー・ササダンゴ・マシンのセンスなのだ。  新統括マネジャーの鶴見亜門に抵抗するも、腹パンを食らった小田井はあえなく失禁。LiLiCoとの結婚でしあわせの絶頂にあった男が、衆人環視の前でおもらしするとは人間、どこで落とし穴が待ち受けているかわかったものではない。  こうなるともはや純子も烈男も、古株のことより新メンバーの方が気になる。亜門が紹介したのは「五月雨を集めた水でスキンケア、ビジュアル系演歌歌手・最上川司!」と「テレビもねえ、ラジオもねえ、車は師匠のメルセデス、演歌十段・吉幾三最後の愛弟子・真田ナオキ!」の二人。  真田は29歳で、最上川は年齢非公開ながらも女性が飛びつくようなビジュアルを誇り、若返りを図るには申し分ない。亜門の紹介を受けてトイレの中から登場した二人は、飛ぶ鳥を落とす勢いにある純烈の新メンバーになれるとあり、やる気満々だ。  さらに“演歌界の若きプリンス”を迎え入れたことからグループ名も「純烈&Prince」(略して純プリ)に変えることも発表。NHKホールは、そのお披露目ライブとなる。  2度目の紅白を目指して突っ走ってきた純烈の9年に及ぶ歴史も意外なまでにあっさりと終了し、ここからは新体制で改めて大晦日に向けてランニングワイルドしていくことに。最初は「えー……」という声も聞こえた客席が、この時点では純プリに対し期待に満ちた万雷の拍手を送っていた。世の中そういうものである。  その中で最上川、真田に旧純烈から生き残った白川裕二郎と後上翔太の4人で『星降る街角』を熱唱。続いて2曲目の『プロポーズ』では早くもラウンドで客席を練り歩く。   つい先ほどまで「リーダーと小田井さんがいない純烈なんて、純烈じゃないわよ!」と憤っていたマダムも、目の前に最上川が現れ右手を差し出すと「キャーッ!」と悲鳴をあげながら握り返す。このあたりはもちろん、ササダンゴの台本にもない自然発生的な流れなのだが、ネタがさらなるネタを生み出してこそライブの醍醐味。
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クビになった酒井と小田井が悪態…
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(すずきけん)――’66年、東京都葛飾区亀有出身。’88年9月~’09年9月までアルバイト時代から数え21年間、ベースボール・マガジン社に在籍し『週刊プロレス』編集次長及び同誌携帯サイト『週刊プロレスmobile』編集長を務める。退社後はフリー編集ライターとしてプロレスに限らず音楽、演劇、映画などで執筆。50団体以上のプロレス中継の実況・解説をする。酒井一圭とはマッスルのテレビ中継解説を務めたことから知り合い、マッスル休止後も出演舞台のレビューを執筆。今回のマッスル再開時にもコラムを寄稿している。Twitter@yaroutxtfacebook「Kensuzukitxt」 blog「KEN筆.txt」。著書『白と黒とハッピー~純烈物語』『純烈物語 20-21』が発売

純烈物語 20-21

「濃厚接触アイドル解散の危機!?」エンタメ界を揺るがしている「コロナ禍」。20年末、3年連続3度目の紅白歌合戦出場を果たした、スーパー銭湯アイドル「純烈」はいかにコロナと戦い、それを乗り越えてきたのか。

白と黒とハッピー~純烈物語

なぜ純烈は復活できたのか?波乱万丈、結成から2度目の紅白まで。今こそ明かされる「純烈物語」。

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