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<純烈物語>殺し文句は「夢は紅白、親孝行」。白川裕二郎をメンバーに誘った理由<第12回>

白川裕二郎

第12回「夢は紅白、親孝行」は白川裕二郎をメンバーに誘う時の切り札だった

 純烈現メンバー4人の中でもっとも古い付き合いは酒井一圭と白川裕二郎になる。酒井が『百獣戦隊ガオレンジャー』に出演したのは’01年で、その後続番組として翌年に始まった『忍風戦隊ハリケンジャー』で白川がカブトライジャー役にキャスティングされた。  この流れで’03年にクロスオーバー作品『忍風戦隊ハリケンジャーVSガオレンジャー』のビデオが製作され、2人は共演。プライベートで遊ぶことはなかったが、酒井にとっては「弟のような」付き合いが続いた。  その後、歌舞伎町のイベントスポット「ロフトプラスワン」でプロデューサーを務めるようになった酒井は、戦隊モノを通じて関係ができた俳優たちの世話もしていた。トークライブをやりたいと頼まれれば便宜を図り、ギャランティーの面でも事務所との間に入り「バイクが欲しいって言うやつが来たら、そのタシになるぐらいは持っていってやった」というように采配を揮った。  そうやって回していくと、頼られる一方で「あの人はなんであんなに力を持っているんだ?」と逆に構えて見られるようになっていく。知っている連中にとっては「競馬好きの普通の兄ちゃん」であっても、戦隊モノから入ってきた新人俳優には「怖い先輩」と映る。 「その頃の僕はいろんなタグが付きすぎていて、プロレスもやっているわ、プロデューサーや俳優のキャスティングもやっているわ、かと思えばプロダクションの人ともガンガンやりとりをしているわで、得体の知れない怪しい人に映るわけです。それで、知らぬところでいつの間にか悪評のようなものが立っている。マネジャーが自分のところの俳優に『あの酒井一圭っていうやつには気をつけた方がいい』とか父兄のように言うわけですよ。  でも、そういうのを見て僕はニヤニヤしながら面白がっていた。小さい頃から誤解されるのを面白がるところがあって、それは『あばれはっちゃく』をやっていれば当然あることないこと言われる環境からきているんですけど。そういうなかで白川はカネがなくなると電話してくるようなやつでね。じゃあイベントやって事務所にギャラが入っても、おまえにも小遣いぐらいの額は出すよという感じでやっていたんです」  当時の酒井の目に、白川は「もったいない存在」と映っていた。自分が見て感じたポテンシャルを出し切れておらず、実績が追いついていない。それをいい方向へ傾けるだけでドーン!と弾が飛んでいくのに、その方法をつかみきれていなかった。  酒井が脚を骨折し、自宅でゴロゴロしながら次なる構想を練っていた時点で白川の存在は常に頭の中へあった。そして純烈構想が浮かんだタイミングで、メンバーとして誘おうと思った。それが彼にとっての“いい方向”の形という確信があったからだ。  その決め手となったのは、白川の声。セリフでも聴いていたものの、京都の夜のカラオケで本領に気づく。
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おい白川、おまえは米米や尾崎じゃなく、歌謡曲を歌うべきだよ!
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