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<純烈物語>浮世離れしたものを見せたあと、普段通りのショーを…<第10回>

「白と黒とハッピー~純烈物語」第10回

とてつもないものを見たという余韻 その後に12曲を披露するプロの仕事  前川清がサプライズ登場し、それによって本当に驚いた酒井一圭が人目をはばかることなく感涙にむせる姿の生々しさは、あまりにもインパクトがありすぎた。ただごとではない状況が、エンターテインメントの世界から現実へとその場にいる者を引き戻してしまったのだ。  だが、いったん分散した集中力をすぐに戻したのも前川だった。無敵のアンドレザ・ジャイアントパンダに勝つための秘策を明かすや、何もそこまでというほどノリノリで自身の“アンモニア論”を雄弁に語った。  確かに、アンモニアのスメルを嬉しそうに嗅ぐ動物はあまり見たことがない。「ニホンオオカミのおしっこの匂いなんて、怖いぐらいで誰も近づこうとしないんだから!」と、あたかも経験者のような顔をして語る前川は、必要以上にしょんべんネタを連呼。  ダントツの大物が誰よりもお下劣だったことで、得体の知れぬグルーヴ感が発生した。完全に圧倒された酒井も止められず。袖から眺めていたスーパー・ササダンゴ・マシンは、前川の持っていく力に唸らされるしかなかった。 「あのあたりは、本当にさすがというしかなかったです。前川さんがノリノリでやってくれたことで、それまでは『NHK(ホール)でこんなことをやっていいの?』みたいな空気がどこかに残っていたのが『前川さんがあそこまでやるということは、大丈夫なんだ』って完全に変わりましたからね。  ああいうことはライブだからやれるのであって、テレビの中継があったらやらないです。テレビでやらないということは、インディーっぽさを表現できる。健康センターのお客さんとの距離感を、格式ある会場でやるとしたらどういうものかというのを考えたんです。  じっさい、NHKの人たちが視聴率と関係ないところで浮世離れしていますから、これはやれると。面白いことを一番優先するのは、じつはNHKなんですよ」  ササダンゴは’16年よりEテレの『NHK高校講座 社会と情報』にレギュラー出演しており、日本放送協会における現場の空気感をしっかりと把握していた。だから、周りが心配するようなネタも問題なしと踏んだ上で台本を書いたのだ。  考えてみれば、健康センターにおけるMCもくだらなくてバカバカしいものほど盛り上がったりする。たとえ大きなハコのきらびやかなステージになってもその距離感を変えずにやるササダンゴの発想は、なぜ純烈が支持されているかを理解できている証しといっていい。
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「それじゃあな!」颯爽と去る前川清
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DVD『純烈のNHKホールだよ(秘)大作戦』10月2日(水)発売

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