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深夜アニメを見るほどに人生が豊かになるのはなぜか?

いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第130回 テレビ『がくえんゆーとぴあ まなびストレート!』という深夜アニメがある。高校に行くことが当たり前ではなくなった近未来に、それでも高校に通うことを選択した女子高生たちの物語だ。  この作品の登場人物の一人、衛藤芽生は面倒見が良かったせいで小学生の頃に周囲から色々な面倒事を押しつけられ、それがトラウマになって、他人との間に壁を作るようになっていた。  主人公の生徒会長、天宮学美に振り回され、なし崩し的に生徒会を手伝っていた芽生は、ある時そのトラウマがよみがえり、自分の部屋に引きこもってしまう。それでも学美たちの動向が気になった彼女は、生徒会室にあるパソコンのカメラにアクセスして彼女たちの様子をうかがい、そこで学美の真意を知る。 「芽生ちゃんは何かを見つけるために学校に通っているんだと思う。私は芽生ちゃんと友達になりたい。一緒にご飯食べて、一緒に勉強して、一緒に遊んで、一緒に悩んで、同じ時間を過ごしたい。三年間というかけがえのない時間を芽生ちゃんと一緒に。それでいつか聞けたらいいな。探していたものは見つかったって。その時に聞かせてもらうようにするんだ。芽生ちゃんの友達になって」  芽生は涙を流しながら、「私は私が求めているものを見つけた」と悟り、その後正式に生徒会の一員になった。二十代半ばだった私はこのエピソードにとても心を揺さぶられ、何度も見返した。そして、それが数年後に高校時代の友人たちと「一緒に世界を変えよう」と誓ってビジネスを始める遠因になってくれた。  心を揺さぶられる体験は原風景となって、何かを始めたり、続けたりする理由になってくれる。そして、その原風景になるのは現実の出来事とは限らない。物語の登場人物は、時として現実以上に観る者の心を揺さぶることがある。 『まなびストレート』は放送中の人気は高かったものの、DVDの売り上げはあまり良くなかった。そこで、「そこそこの作品」を示す目安が「まなびライン」と呼ばれるようになった。これはどちらかといえば不名誉な扱いだ。  しかし、私にとっては十二年経ってもいまだに思い出すことのある、心に残る作品の一つだ。原風景は一度体験して終わりではない。何度も思い出す度に、より深い意味を教えてくれる。大切なのは思い出すことだ。
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世間での扱いと、自分の感動はまったく別の話
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