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日本の隣国に「人を殺してはならない」の価値観は通用しない/倉山満

 天皇陛下の御即位や改元で奉祝ムードに湧いた日本だが、消費税の増税、近隣諸国との関係など、先行きは必ずしも明るいことばかりではない。漠然とした不安のなかで「日本を守りたい」と考えている人も多いだろう。とはいえ、具体的に何が必要かはわからない……。「知恵より志だ」と断言するのは、憲政史家・皇室史学者の倉山満氏だ。新刊『13歳からのくにまもり』では、「自分が総理大臣になったつもりで考えよ」と述べている。その真意とはなにか? 日本

「人を殺してはならない」という価値観が通用しない国に囲まれた日本

倉山:まず日本人が当たり前だと思っている価値観は、東アジアにおいて通用しません。例えば「殺人」について見てみましょう。現代の文明国では殺人は犯罪で、人を殺してはならないという価値観は多数派です。日本では聖徳太子の「十七条憲法」の頃には定着していた価値観です。平安時代には天皇だって人を殺したら最高刑という掟が成立していました。  しかし世界では、たかだか最近200年の新しい価値観なのです。そのうえ、日本の周囲にはアメリカを除いて、この価値観が通じないロシア、中国、北朝鮮といった国々があるのです。韓国は今のところ人を殺してはならないという価値観が通じますが、今後はどうなるかわかりません。 ――そうした周辺諸国が日本に攻めてこないのはなぜでしょうか? 倉山:憲法九条によって日本が平和主義の国だと掲げているだからだという人々がいます。夜中に強盗しかいない場所にいることを想像してみてください。武器を持ってないからといって強盗が襲うのをやめるなどありえません。  では自衛隊が強いからでしょうか? 結論を言ってしまうと、自衛隊は戦力外通告一歩手前です。「米軍の足手まといにならなければ一人前」という状態です。軍隊に必要な「ヒト(人員)・モノ(燃料、弾薬)・カネ(予算)」が物理的に足りておらず、訓練すら満足にできない状態です。加えて警察と同じで、許可されたことしかできない法体系になっています。軍隊は政府が機能しない場合でも、あらゆる力を総動員して国を守るために、禁止されたこと以外できる法体系になっています。  つまり自衛隊はすごい武器を持った警察なのです。歴代総理も「自衛隊は軍隊ではない!」と言い張ってきました。日本が攻め込まれずに済んでいるのは、圧倒的な破壊力を誇るアメリカ軍が日本に駐留しているからです。米軍がいる以上、他のどこの国も、日本に攻め込み占領することはできません。日本国憲法ではなく、日米安保条約のおかげで、日本は中露北のアブナイ連中に攻め込まれないで済んでいるのです。 ――日本の役割はなぜそうなったのですか? 倉山:昭和二十七(一九五二)年四月二十八日にサンフランシスコ講和条約が発効すると、正式に戦争が終結してGHQによる占領統治も終了しました。このときにアメリカと締結されたのが安全保障条約です。日本では「日米安保条約」と俗称されていますが、外国人はどんなに親日的な人でも「米日安保条約」と呼びます。アメリカが日本を一方的に守る条約だからです。アメリカが、ほとんど武器を持たない日本を守るという条約です。  国と国との関係で「一方的に守る」とは、「支配する」と同じ意味です。しかし、さすがにあまりにも一方的すぎるため、昭和三十五(一九六〇)年に改定され、「日本は在日米軍基地を守る」が加わりました。これで日米は対等だとして、現在に至ります。日本は自力で自国を守れた上でアメリカと同盟を結んでいるのではなく、在日米軍基地が維持されることを安全保障の目的としているのです。
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アメリカを利用している?
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13歳からの「くにまもり」

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