更新日:2023年04月27日 10:38
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試着するだけで鳥肌が立つ、極上ニットのヒミツ

27/108 JIL SANDER(ニット)約9万円

MBのヘビーユース108

JIL SANDER(ニット)約9万円

 洋服を「デザインでしか見ない」のはとてももったいないことです。「無地の白いTシャツはおおむねどれも同じ」「無地の黒スラックスは1本持っているから必要ない」「スーツは一着あればいい」……そんなふうに「デザインだけ」で服を考えている人は多い気がしますが、「白いTシャツ」と一口に言っても千差万別です。  例えば、ひとつに素材感。シルク調の風合いもあれば、ガサガサとラフな厚手の天竺素材もあり、印象は本当に多種多様。もうひとつはシルエット。着丈の長さは2cm変わればまるで別モノに感じるし、袖丈は数センチ長くするだけで季節感が損なわれるほどです。  これを思い切り体感できるのがジルサンダーの洋服。’09年にユニクロとコラボレーションし「+J」レーベルを立ち上げ、大ヒット。ハードルの高さもあり、「+J」は知っていても本家であるジルサンダーは知らないという人も多いでしょう。  しかし、私は’19年のベストブランドをひとつ挙げるなら、間違いなくジルサンダーを候補にします。地味なシンプルデザインで、これほどまでに美しい素材とシルエットをつくっているブランドはほかに存在しないでしょう。 MBのヘビーユース108 ミニマリズムの代表といわれるジルサンダーは至ってシンプル。今回取り上げているニットもなんの変哲もないただのネイビーの長袖ニットです。しかし、シルエットは極上!  大胆に広げた肩幅と身幅はゆったりとリラックスしたサイズに見せてくれますが、一方で袖は妙に細く、着丈も肌着が見えるほど短い。広い身幅で体の線は隠してくれるけど、短い着丈で腰の位置を高く見せてくれて脚長に感じさせるシルエットです。  ゆったりとしたサイズ感ながら袖が細く、スッキリと大人な印象に見せてくれるのも特徴。構築的なシルエットつくりは建築物のよう。また、素材はツヤ感たっぷりのウール。見たこともないような滑らかな風合いで、地味なネイビーニットでも明らかな高級感を与えてくれます。  高価ですが、「一張羅」を探すときはぜひ候補に。コートもスラックスも小物もすべてシンプルながら激烈に高い完成度があり、試着すると鳥肌が立ちますよ。 【今週の掘り出し物】 MBのヘビーユース108私のアシスタントがやっているブランド「RePLAY」。大判のストールは高級素材であるヤクウールを使って雰囲気たっぷり。 商品、衣装/すべて私物 撮影/林 紘輝(商品) 岡戸雅樹(人物)
MB
ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 <実践編>』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag

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