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風見しんご、認知症の父の介護を10年間「長女の交通事故死から救ってくれたのは父の涙」

選択肢はひとつではない。家族の笑顔が一番の介護

 風見さんのような親の介護の不安や苦しみについて、ワーク&ケアバランス研究所の和氣美枝氏は、「正しい情報や認識が伝わっていないことが一番の問題」と語る。
50代になる憂鬱

和氣美枝氏

「介護保険は社会保険ですから、年金を受給するのと同じ権利。でも、年金受給に抵抗はないのに、介護保険を使ってサービスを受けるのは抵抗を感じる人が多い。介護休業にしても、通算93日間を丸々介護に使うものと思っている人が大半ですが、本来は仕事に集中できるよう介護の態勢を整えるというもの。正しい情報と認識がないからパニックになり、最悪、離職をして自分を苦しめてしまいます」  そして、介護が始まったら、まずは自分の人生を優先させて、守っていくべきだとも。 「家族が笑顔でいられることが、一番の介護なんです。『介護は大変だ』という思い込みも、それは自分がプロじゃないから、そう思い込んでいるだけ。不安なら、実際に自分の目と足を使って、安心できるサービスを探せばいい。ひと昔前に比べたら、今は選択肢が無数にあります。心を窮屈にせず、支援組織や介護経験者に相談するところから始めましょう」  まずは「介護=抱えるもの」という認識から変えていきたい。 【風見しんごさん】 1962年、広島県生まれ。57歳。18歳のときに萩本欽一氏に見いだされ、ドラマやバラエティ、映画、舞台で活躍。著書に『さくらのとんねる』(青志社)など 【ワーク&ケアバランス研究所 和氣美枝氏】 一般社団法人介護離職防止対策促進機構代表理事。32歳のときから続く母親の介護は現在16年目。著書に『介護離職しない、させない』(毎日新聞出版) <取材・文/週刊SPA!編集部 アンケート協力/クロス・マーケティング> ※週刊SPA!11月26日発売号の特集「50代になる憂鬱」より
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週刊SPA!12/3・10合併号(11/26発売)

表紙の人/ 岡村隆史

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