更新日:2023年05月13日 09:17
仕事

同僚に無視され会社に居場所がない…独身45歳男性の悩み

 “外務省のラスプーチン”と呼ばれた諜報のプロ・佐藤優が、その経験をもとに、読者の悩みに答える! 会社

同僚に無視されるなど会社に居場所がない

★相談者★チビおやじ(ペンネーム) 会社員 男性 45歳  45歳、独身、心療内科に通院中、母親と同居。新卒で入社した会社に二十数年勤務。突然会社を何回か休むなど問題ばかり起こし、周囲から浮いている状態です。同僚に挨拶されないなど人間関係が最悪です。親の介護費用のことなどもあり転職を考えるも、コミュニケーションをとるのが下手なので転職先での人間関係が怖くて、踏ん切りがつきません。どうしたら良いか悩むばかりで困っております。すみませんがアドバイスのほどよろしくお願いします。 ◆佐藤優の回答  あなたは一生懸命生きています。周囲から浮いていても、同僚から挨拶されなくても気にする必要はありません。今のあなたに必要なのは精神的な休息です。人生論のベテランである加藤諦三先生(早稲田大学名誉教授)は、レジリエンス、すなわち立ち直る力、回復する力についてこう述べています。 =====  レジリエンスを身につけることにとって決定的なことは二つある。一つは「断念」、次は「不幸を受けいれる」。この二つができれば、人から思いやりのある配慮を得られる。そうして立ち直っていかれる。 「自分はこういう親の元に生まれてきた」という不幸を受けいれる。そして生物的な親との愛の関係を断念する。いつまでもその愛に執着していると、レジリエンスのない人になる。 「いつまでそんなこと言っているの」となって、優しい人も逃げていく。優しい人といっても人間だから、神ではないから、その人から離れていく。 「断念」と「不幸を受けいれる」、この二つができれば、妬みがなくなる。妬みの気持ちが人の幸せを喜べる気持ちに変化成長する。そうすると質のよい人が周りに集まる。そのよい人間関係が幸せの決定的要因になる。 「断念すること」と「不幸を受けいれる」、この二つができないと、妬みや嫉妬が激しくなる。すると周りに質の悪い人が集まる。(中略)自分の運命の不幸を受けいれる。すると今、生きていることだけでありがたいと感じられるようになる。(『どんなことからも立ち直れる人』177~178頁) =====
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努力によって改善するという考え方を断念すること
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’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数

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