「彼と母親がべったりで気持ち悪い」35歳女性が悩む、結婚の障害
私も同じ考えです。岸見氏は「人と関われば必ずといっていいくらい摩擦が起きる」と述べています。あなたと彼のお母さんとの接触が過剰だからストレスが溜まるのです。社会通念に照らしてみても、お母さんが月に何度も滞在して家事をこなすのは、奇異な感じがします。結婚とは、男と女が夫婦になって新たな家庭をつくることです。言い換えれば、男も女も自分の親元を離れて、新しい生活を始めることです。
こういう問題は、初動が大切です。恐らく、あなたの彼はお母さんと仲がいいので、切り出すのには勇気がいると思いますが、将来、大きなトラブルに発展する可能性が高い事柄の芽は、早いうちに摘み取っておく必要があると思います。あなたがここで相談した内容を、率直に彼に伝えることをお勧めします。あなたは、「弟に激しくボディタッチしていました」と書いていますが、あなたが見ていないところで、お母さんは彼にも同じことをしていると思います。
こういう関係は、結婚後は、やめるべきと思います。私は高校や大学でも教えていますが、母親が息子を恋人のように扱っている例が少なからずあります。そういう状態のまま結婚すると、ほとんどの場合、嫁と姑の深刻な対立に発展します。嫌なことは嫌だと結婚生活を始める前にきちんと伝えたほうがいいと思います。そうすると結婚の機会を逸してしまうのではないかと、あなたは不安を感じているのかもしれませんが、近すぎる母と息子の関係は、夫の浮気と同じくらいストレスがかかる問題です。
あなたよりもお母さんのほうを選択する人ならば、結婚してもうまくいきません。人生にとって重要な決断をするときには自分の思いを相手に率直にぶつけたほうがいいと私は考えます。
★今週の教訓……近すぎる親子関係は浮気よりもストレス’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数
◆募集◆
佐藤優さんへの相談を募集中。匿名希望の方はペンネームを記入してください。採用者には記念品をお送り致します。⇒応募はコチラから https://nikkan-spa.jp/icol_form
佐藤優さんへの相談を募集中。匿名希望の方はペンネームを記入してください。採用者には記念品をお送り致します。⇒応募はコチラから https://nikkan-spa.jp/icol_form
『生き抜くための読書術』 ウクライナ危機、元首相暗殺事件、コロナ社会、貧困etc. 分断社会を打破する書物とは? |
1
2
この連載の前回記事
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ