ライフ

なんちゃってビジネスクラスより満足度の高い「プレミアムセレクト」とは?

 中国から中東、ヨーロッパと巡った38万3497円のほぼビジネスクラス世界一周の旅も大詰め。
ニューヨークのタイムズスクエア

ニューヨークのタイムズスクエア

 ポルトガルから大西洋を越えてニューヨークにやってきたが、帰国後のスケジュールとの兼ね合いもあって1泊しただけ。1年前の前回世界一周でも訪れたこともあり、ほかの国での滞在日数を増やしたのだが、この刺激的な街で2日だけというはあまりに短すぎたようだ。

マイル上級会員だから優先的に搭乗便の変更ができた

 ニューヨークのホテルは、タイムズスクエアから徒歩圏内でマンハッタンの空気を感じることはできたが、昼~夕方の短い時間では観たかったところもほとんど行けずじまい。そんな後ろ髪を引かれる思いで最後の目的地、カナダのモントリオールに向かうために郊外のラガーディア空港へ。  ここは国際線はカナダなど一部の国や地域だけ。国内線メインの空港で昨年もトロント行きのフライトで利用。  今回のニューヨーク~モントリオールのエアカナダ7645便は、貯まっていた同社のマイルで、この旅唯一のマイルでの特典航空券(エコノミー)を利用。ただし、安ければ1万円程度で購入でき、キャリアフラッグにしては安い。
ラガーディアのメイプルリーフラウンジ

ラガーディアのメイプルリーフラウンジ

 なお、エアカナダも『アルチチュード』と呼ばれる上級会員になっていたため、エコノミーでラウンジが使える。ラガーディア空港のエアカナダの『メープルリーフラウンジ』は昨年の世界一周でも利用。フード類やドリンクは1年前とほぼ同じだったが、比較的新しいラウンジで夕方以降もあまり混まないのがいい。  この日のモントリオールが大雪で、ラガーディア発のフライトは朝から全便が遅延。筆者が搭乗予定だったのは最終便だったので1本早い便に変更可能か聞いたところ、「後ほどカウンターで搭乗手続きを行う」とのこと。  ほかの乗客たちも搭乗便変更を希望しており、40名ほどの人だかりができていたが、エアカナダも上級会員だったおかげで優先的に変更してもらえた。定員78人のERJ-175という小さな機材だったこともあり、結局10数名しか便の変更ができなかったようだ。

北米内のプレミアムエコノミーはなんちゃってビジネスより上?

モントリオール・ピエール・エリオット・トルドー国際空港

モントリオール・ピエール・エリオット・トルドー国際空港

 でも、モントリオールは寒波襲来で滞在中の3日間は最低気温がマイナス20度を下回るほど。観光するにはあまりに厳しいコンディションで、早々に切り上げてホテルの温水プールや近くのショッピングモールで過ごした。  そうして迎えた最終日だが、早朝6時前の便でモントリオールからアメリカのミネアポリスへ。  デルタ航空のミネアポリス乗り継ぎの羽田までの航空券で、料金はプレミアムエコノミーで片道8万5700円。東京~北米の場合、エコノミーでもこれより高いことが多く、金額を確認してすぐに購入。
エアカナダのプレエコ席。後列のエコノミーより足元が広い

エアカナダのプレエコ席。後列のエコノミーより足元が広い

プレミアムエコノミー専用の荷物棚

プレミアムエコノミー専用の荷物棚

 モントリオール~ミネアポリスの座席は、シートこそエコノミークラスと同じだったが前列座席との間隔は広く、これだけでも快適性が全然違う。さらに座席の上の物入れには、プレミアムエコノミーの乗客専用スペースであることを示す《Reserved for Comfort+ customers》の文字。搭乗するのが最後だったとしても座席上の棚を優先的に使えるのはありがたい。
ミネアポリス・セントポール国際空港

ミネアポリス・セントポール国際空港

羽田行きのデルタ航空121便

羽田行きのデルタ航空121便

 そして、最後のミネアポリス~羽田のデルタ航空121便は、777-200という大型の機材でこの旅で最長となる12時間半のフライト。座席は一般のエコノミーが3席-4席-3席なのに対して2席-4席-2席という配列になっていた。
デルタ航空『プレミアム・セレクト』の座席

デルタ航空『プレミアム・セレクト』の座席

 2017年から一部長距離路線で導入された『デルタ・プレミアムセレクト』という座席で、シート幅は最大約48.3センチ。前の座席との間隔も確保され、リクライニング性能も悪くない。もちろん、ビジネスクラスには劣るとはいえ、ほかの航空会社のプレミアムエコノミーと比較しても座り心地はかなりいい。
次のページ
専用機内食を陶器の食器で提供
1
2
フリーライター。鉄道や飛行機をはじめ、旅モノ全般に広く精通。3度の世界一周経験を持ち、これまで訪問した国は50か国以上。現在は東京と北海道で二拠点生活を送る。

記事一覧へ
おすすめ記事