ライフ

「俺はあの笑顔が好きだ。るりちゃんから笑いを取りたい」――46歳のバツイチおじさんはヒンドゥー教の聖地で大きな邪念を抱いた【第40話】

お待たせしました! 46歳のバツイチおじさんによるノンフィクション巨編「世界一周花嫁探しの旅」、3か月ぶりの再スタートです。すでにお気づきかと思いますが、この旅日記連載には多少のタイムラグがあり、現在バツイチおじさんは旅先で体調不良を起こし、現地にてしばらく静養中だったのです。しかし、皆さんからの熱い声援もあり、体調もやっと快方に向かいつつあるので、前回の続きからまた執筆を再開することになりました。 さて、ヨガの総本山「アシュラム」で煩悩にまみれながらも己と向き合い、ヨガ美女るりちゃんへの一途な想いに気づいたバツイチおじさん。今回、ついにアシュラムを出てるりちゃんとの二人旅がスタートします。南インドを舞台に繰り広げられるバツイチおじさんの中年恋物語、果たしてこの恋は成就するのでしょうか? るりちゃんとの出会いが綴られている第36話までさかのぼって読んでいただけると、このズンドコ珍道中がより深い味わいを与えてくれること請け合いです! 「この子を連れて帰るなら、俺たち全員分のお金をお前が払えよ」――46歳のバツイチおじさんはアラブの荒くれ者に難癖をつけられた英語力ゼロの46歳バツイチおじさんが挑む「世界一周 花嫁探しの旅」【第40話 蘇る親友からの言葉】 初恋の人に似たヨガ美女のるりちゃんを追いかけ、入門した南インドの山奥にある「シヴァナンダ・ヨガ・アシュラム」。数週間に及ぶ朝5時から夜10時までの厳しいヨガ修行で、最難関のヘッドスタンディングを含む太陽礼拝がなんとかできるようになった。そこで、ヘッドスタンディングの練習を手助けしてくれたるりちゃんに、俺は完全に恋に落ちてしまった。やがて修行が終わり、るりちゃんを誘って一緒にヒンドゥー教の聖地であるカニャクマリまで旅をすることになった。 アシュラムに預けていたお金やパスポートを受け取り、るりちゃんとアシュラムの階段を降りた。一人で来た時はあんなに不安だったこの階段。まさか帰りに愛しのるりちゃんと一緒に降りることになるとは……。俺は心の中で小さくガッツポーズしながらお世話になったヨガアシュラムを後にした。 俺「あ、あそこにリキシャがいる。荷物重いからバス停まであれに乗ろうか?」 るり「いいですね」 リキシャのところに行き、俺は話しかけた。 リキシャ「どこに行くの?」 俺「バス停まで10ルピーでお願いできる?」 リキシャ「30ルピー」 俺「ありえねー、10」 いつもインドの交渉が始まった。そこまで悪いドライバーではなさそうだ。 リキシャ「バスでどこまで行く?」 俺「トリヴァントラムまで出て、その後、カニャクマリまで行くつもり」 リキシャ「……そうか。今日は暇だからカニャクマリまで700ルピーで連れていってあげるよ。悪くないだろ?」 俺「500」 リキシャ「うーん。じゃあ、600でいいよ」 カニャクマリとはコモリン岬にある南インド最南端に位置する小さな街で、アラビア海、インド洋、そしてべンガル湾という三つの海が交わる極めて特異な地理を持つ場所。そこは、南インド最大のヒンドゥー教の聖地で、敬虔なヒンドゥー教徒たちが巡礼に訪れる重要な宗教都市である。 ここから南インドの最南端のカンニャクマリまで600ルピー(約900円)。二人で割れば一人450円。20キロのバックパックを背負い、気温40度の灼熱地獄を歩くのを考えると悪くない選択だ。 俺「600でカニャクマリまで行ってくれると言ってるんだけど、どう?」 るり「ごっつさん、それは安いです。それで行きましょう」 こんな感じで、るりちゃんとのなんとも甘酸っぱい3時間のリキシャ2人旅が始まった。 アシュラムではなかなか会えなかったるりちゃん。 今は手を伸ばせばいつでも手が届く距離にいる。 それにしても隣に座るるりちゃんの横顔、可愛いすぎるぜ。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1377463

リキシャに乗るるりちゃん。やっぱり可愛い

るり「わー、ジュラシックパークみたい!」 最南端に位置するカニャクマリに近づいた頃には、木々の葉っぱが大きくなり、街並みもカラフルになっているようにも感じた。そこはまさに南国の様相だ。

インド最南端に近づくと南国の雰囲気が増す

カニャクマリに到着すると、20キロを超えるバックパックを担いで歩き始めた。 俺「これ、暑すぎて死ぬ~」 るり「これはヤバイです」 俺「そう考えるとアシュラムは山の上だったからから涼しかったね」 気温はどう考えても40度を超えてるように感じた。昼間の強すぎる日差しの中、少し歩いただけで滝のような汗が吹き出る。 とりあえず、2人で安宿を探すことにした。あまり良い宿にこだわってると暑さで死んでしまいそうだ。 少し歩くと、海辺から少し離れたところに一泊600ルピーの宿を見つけた。 俺「すみません、今晩泊まれます?」 宿主「2人一緒の部屋でいい?」 俺「………………」 るり「………………」 るりちゃんの沈黙が気になる。 俺は彼女に気づかれないよう、唾をゆっくり飲み込んだ。 本当は一緒に泊まりたい。 これはまたとないチャンスだ。 しかし、るりちゃんはどう考えてるんだろうか。 沈黙が続く。 俺はまた唾をさらにゆっくり飲み込む。 宿主もなぜか唾をゆっくり飲み込む。 俺「…………」 るりちゃん、もしかして……。 この沈黙は、「おまかせ」ってこと? ごっつにおまかせってこと?? ……いやいや、そんなわけないか。 俺「別々の部屋でお願いします。ただし、隣の部屋ね」 宿主「オッケー」 ここは男らしく、隣り合わせの部屋を申し出た。隣同士でも充分だ。いや充分すぎる。 部屋に荷物を置き冷たいシャワーを浴びると、2人で街を散歩することにした。 カニャクマリは南インド最大のヒンドゥー教の聖地だけあって、街全体に巡礼者が溢れかえっていた。金持ちそうなインド人から物乞いまでいろんな人種がごった煮状態になっており、さまざまな建築様式のヒンドゥー寺院があったりと面白い。出店も多く、宗教ビジネスも発達しているようだ。

カニャクマリの街並み

物乞いも多い

出店など宗教ビジネスも発展している

るり「ごっつさん、舟乗りません?」 俺「舟?」 るり「浮島があって、有名なヒンドゥーの宗教家のヴィヴェーカーナンダさんのお墓があるんです。瞑想する場所としても有名らしいですよ」 俺「へぇー。行ってみよう」 港に着くと荒波に浮かぶ一艘の舟があった。2人でそれに乗り込み、ヴィヴェーカーナンダの墓に向かうことにした。海はかなりの荒波だ。

カニャクマリの港。遠くに見えるのはヴィヴェーカーナンダさんの墓とティルヴァッルヴァル巨像

この船で出発。この後すごい荒波で揺られることに

 俺は舟に飛び乗ると、るりちゃんを手招きした。 るり「ひゃー、怖い!」 俺はさりげなくるりちゃんに手を差し出した。 るりちゃんはそんな俺を無視して舟に飛び乗った。 ……まぁ、先は長い。 俺は出した手をるりちゃんに気づかれないようそっと元に戻した。

救命胴衣を抱きしめるるりちゃん

そのまま船はヴィヴェーカーナンダの墓のある小島に向かった。荒波にもかかわらず多くのヒンドゥー教徒もその島を目指していた。

島に巡礼に向かうヒンディー教徒たち

ヴィヴェーカーナンダの墓が見えてきた

次のページ 
小島に到着するも、暑い…
1
2
3
4
5
Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事