仕事

中年男がバイトマッチングで見つけた仕事に挑戦。社員たちのドタバタ劇に巻き込まれ…

受け入れ側が整っていない?

 先に「あるべき状態」を記述しておく。  まず、その日の業務開始までに釣り銭の数と業務用端末のセットアップを済ませておき、未経験者用の書類を準備。応募者のリストと実際に来ている人の名前と人数を突き合わせて確認。経験者には釣り銭を渡してバイクのチェックをさせて朝礼をして出発させる。未経験者には書類を書いてもらい免許証を確認し、アプリの説明を行い釣り銭を渡して出発させる。また、そのタイミングで注文が入り始めるのでアプリの説明か注文の振り分けのどちらかをヘルプできた社員に依頼する。後から考えると、社員がこれだけできれば回るはずである。  ヘルプに「アプリの説明はしたの?」と尋ねられた社員が「はい」と答えるが、「説明、俺が普通にやっても20分以上かかるけど本当にした?」と問い詰められる。やはり、あんな30秒程度で理解できるものではなかったのだ。ヘルプはそこから未経験の筆者らにアプリの説明を丁寧にしてくれた。すでに注文受付時間になっていたので、“親機”と呼ばれていた端末からは注文が入ったことを知らせる通知音がひっきりなしに鳴り、社員は書類を探しながらその注文を街に出たアルバイトに振り分ける作業に入った。  しかし20分後、棚に置かれたままの業務用スマホが鳴っていることにヘルプが気づく。そして「君、ここに注文振ったりしてないよね」と社員に尋ねる。狼狽する社員。未経験の筆者でもその時点でわかったが、彼はまだ出発していないアルバイトの端末にもどんどん注文を振り分けていたのだ。ここからあらゆることが怒涛のように発覚する。 スマホのイメージ 出かけたはずのアルバイトがひとり戻って来た。「このスマホ、アプリ入ってないんですけど」。ヘルプ社員が「これは何?」と社員に尋ねる。すると「うちのスマホ2台壊れてて、ちょうどそれが送られて来たから、それかなと思って棚に置きました」と答える。「え?君が発注したわけじゃないの?なんで届いたかわからないものを使ってるの?届いたのは誰かに報告した?初期設定してないのはなんで?で、ずっと書類探してるけど見つかったの?」と質問を浴びせるヘルプ。 「なんか、バイトリーダーの子がやってくれたかと思ってました。書類はないです」と弱々しい答えが返ってくる。「俺が、初期設定して書類は本社に問い合わせてメールで送ってもらうから、早く注文をさばいて」のヘルプ指示。  しかし当然、そのスマホに振り分けたはずの注文は空中をさまよっている。ヘルプはそのまま本社と電話をしはじめる。さらによく見渡すと他にも何かを待っている人がいる。彼は経験者らしく「お釣りもらえたら出られるんですけど」と言っている。社員はお釣りを探すが用意していなかったらしい。  その経験者に対し社員はなんと「コンビニを4軒回って、うまい棒を5000円で一本ずつ買ってお釣りを作ってください」と、5000円札を4枚渡そうとしている。電話から戻ったヘルプがそれを見つけ、大切なアルバイトにそんなことさせるなと叱る。そして、銀行へ向かった。なんだかんだのパニックで、17人出ているはずの配達員が12人しか出ていない。しかも、社員はパニックになって12人に対し同時刻のオーダーを20件も振り分けていたよう。配達員から、同時刻に離れた3軒に行くのは無理だという電話がかかって来ている。まさに地獄だ。
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クレーム電話の嵐…配達員で応募したはずが
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