仕事

中年男がバイトマッチングで見つけた仕事に挑戦。社員たちのドタバタ劇に巻き込まれ…

クレーム電話の嵐

 出発していないスマホや設定の済んでいないスマホに振り分けられた注文、さらに同時刻に一人の配達員に振り分けたせいで差し戻された注文をした顧客から、「さっさと持ってこい!」の電話が次々となり始める。筆者を含め出発できない5人は何もできない。そこにヘルプが銀行から戻って来て釣り銭を渡し一人を出発させる。そして、未設定のスマホをセットアップして配達員に渡し次の一人を出発させる。  さらに、本社から送られて来た確認書類を印刷し、未経験者3人に書かせ免許証を確認。この時点で、すでに勤務開始予定時刻から1時間半が過ぎていた。書類を書いてようやくいざ出発となるかと思ったが、ここにいる配達員は残り3人で、バイクが残り1台しかないことが発覚。 「誰がどのバイクで出たか把握してる?」「いえ、わかりません」「こちらの3人がどなただかはわかってる?」「いや…」。ヘルプは冷静に、未経験のうちの1名に謝りながらバイクをあてがい出発させた。そして、配達員の名前とバイクの照合に入る。社員は電話応対と入ってくる注文を振り分けている。残された筆者ら2人は再び待ちぼうけとなった。4時間の勤務だがすでに2時間が過ぎている。

配達員で応募したはずが…

 ヘルプが整理したところによると、社員がバイクの台数より2名多く配達員の応募を受けていたらしい。ヘルプは申し訳なさそうに筆者らに「申し訳ないんですが、こんな状況ですのでチラシのポスティングに行ってもらえませんか」と言った。バイクの配達員として応募したのに、まさか歩きでポスティングすることになるとは思っていなかった。我々はチラシを持って出発する。この時点で勤務開始予定時刻から3時間近くが経過していた。
墓地

気が付けば、広大な墓地にいた

 急転直下で、なぜかポスティングすることになった筆者だが、このあたりの土地勘はない。アルバイトの応募には「ナビアプリがあるので安心!」と書かれていたが、あくまでそれは配達員のもの。自身のスマホで自身のパケット代を消費しながらGoogleマップに頼って歩く。しかし、その配達拠点の裏には広大な墓地が広がっていた。本当であればこの時間、筆者はバイクに乗って住宅街を配達して回っているはずだったのだが、いったいどうして大量のチラシを持って墓地のなかにいるのだろうと、狐につままれたような気持ちになる。
ポスティング

筆者

 それでも約1時間、ポスティングをして配達拠点に戻った。お昼時も過ぎ、注文が落ち着いたことで社員はヘルプにしっかり絞られている最中だった。その様子を見ながら筆者は退勤した。  さすがにこの状況は異例だろうが、今回のことから、マッチングアプリで1日に何人もの未経験者を受け入れるには、店舗側の準備が整っていない場合もあるということがわかった。便利さの反面、予測不可能なトラブルは多く存在しているのだ。<取材・文/Mr.tsubaking>Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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