カーライフ

クルマの自動ブレーキ装着義務化で、交通事故はどのぐらい減るのか?

完全自動運転の実現よりも現実的な「ほぼぶつからないクルマ」

 個人的には、高齢化社会における地方の移動の足を確保のために有効なのは、完全自動運転ではなく「ほぼぶつからないクルマ」だと考えている。多くの高齢者が、最先端装備である完全自動運転を使いこなせるとは思えない。高齢者にスマホを完璧に使いこなせと言うようなものだ。  それ以前に、出発地から目的地までドライバーが何もしなくてもいい完全自動運転の実現は、技術的なハードルが猛烈に高い。クルマと歩行者、自転車が混在する生活道路で完全自動運転を実現するのは、コストとの兼ね合いもあって、20年以内には不可能だろう。  一方、事故を8割程度減らせる「ほぼぶつからないクルマ」なら、そう遠くない将来実現できるはず。ぶつかりそうになった時だけ自動的に助けてくれる装置なら、誰にとっても絶対的に役に立つ。

スバルは「2030年、死亡交通事故ゼロ」を宣言している

 完全自動運転は、まず大型トラックやバスによる決まった経路の輸送に限定して実現し、すべての道路で可能になるのは、たぶん遠い遠い将来になる。完全自動運転も夢としては重要だが、とりあえずは官民を挙げて、「ほぼぶつからないクルマ」の実現と義務化を目指していただきたい。 取材・文/清水草一
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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