『筋肉体操』谷本流、筋トレを楽しく続けるためのコツと考え方
―[『筋肉体操』を谷本道哉が直伝]―
バンプアップの喜びとは?
最初はスローペースで
ただし、いくら筋肉は裏切らないと言っても、最初の頃は筋肉痛と上手く付き合わないと長く継続することが難しくなるそうだ。
「最初に張り切りすぎると、耐え難く、生活に差し支えるほどの筋肉痛を感じます。そもそも筋肉痛は不慣れな動きをしたことによって起きるので、いきなりがんばりすぎるのではなく徐々に慣れるようにしましょう。最初はフォームを覚えるくらいから始めて、1~2週間かけて全力で取り組めるようにレベルアップしていきましょう」
筋肉体操といえば、その追い込み方も話題になっている。例えば、30秒のトレーニングの終盤に「あと5秒しかありませんよ!」と谷本先生が声をかける姿には、多くの視聴者が驚愕している。
「最後の最後まで追い込むのはなかなか難しいものです。例えば、30秒全力で、といわれても多くの人が29秒でやめてしまうのです。これは脳の構造上、仕方ない行動だともいわれます。脳科学の研究者によると、雪山で遭難して命を落とす事故では、山小屋の入り口で息絶えるケースが多いそう。これはゴールが見えたところで達成感を得てしまうから。また、マスターズ水泳では溺れる人が少なくありませんが、多いのはタッチ寸前だそうです。だから最後の最後で厳しく叱咤するのが効くんです」
また、行動経済学の観点から見れば「あと5秒しかありませんよ!」という追い込みは損失回避の思考になるそうだ。あと5秒をやりきらないと「もったいない(MOTTAINAI)」というルー大柴さん的な考えですね(笑)。
筋トレや筋肉が我々に伝えてくれる示唆はこれだけにとどまらない。
「筋トレで下ろす動作は非常に大事なのに蔑ろにされがちです。同じように普段の生活でも本当は大事なのに蔑ろにしていることはあるのではないでしょうか。我が家ではカウンターの上にあるものの位置が、妻にとって大事なのだそう。少しもずらしてはいけない。それこそ私にとってダンベルを下ろす動作と同じくらいかもしれません。自分には些細なことでも相手からすると大事なことは多くあると思います」
また、筋トレを通じて「キツさと辛さ」の違いも実感できる。
「キツくても辛くないこと、あるいはキツくても楽しいことは多くある。一見、矛盾しているようですが、キツいと辛いはまったく違うものだからです。キツいは労力の大きさですが、辛いは精神的な問題。反対に、楽だけど辛いこともある。筋トレは楽しく厳しく取り組みましょう」
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