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今買うべき完全ワイヤレスイヤホン。機能、価格で選ぶなら…

 iPhoneからイヤホン端子がなくなったことに象徴されるように、最近のスマホからイヤホンジャックがなくなっていくにつれ、スマホとBluetooth(R)で通信するワイヤレスイヤホンを見かける機会が増えた。そんなワイヤレスイヤホンのなかでも、最近人気を集めているのが完全ワイヤレスイヤホンだ。  普通のワイヤレスイヤホンは、スマホなどの音楽を再生する機器との接続はワイヤレスでも左右のイヤホンはコードでつながっているため、ある意味ワイヤレスなんだけどちょっと不完全なワイヤレスだった。これに対して、左右のイヤホンすらもコードでつながっていない“完全独立型”のワイヤレスイヤホンが、その名の通り完全ワイヤレスイヤホン。その最大のメリットはズバリ! 邪魔なコードがないことだ(当たり前だが)。  テクノロジー・メディア・通信業界に特化した国際的な調査会社カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチの発表では、完全ワイヤレス・ヒアラブル(音響に特化したウェアラブル)のグローバル市場規模は、2019年第2四半期に3300万台(約4500億円)となり、第1四半期比22%の成長を遂げたそう。市場規模はますます拡大している。

完全ワイヤレス・ヒアラブルのグローバル市場規模は伸びている。出典:カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ

 そんな世界的な持ち上がりを見せている完全ワイヤレスイヤホン市場に、パナソニックから一気に3つも新商品が登場した。それぞれ何が違うのか?

完全ワイヤレスイヤホンの入門機にオススメ!「RZ-S30W」

 まずは、もっとも手頃な価格で手に入れられる「RZ-S30W」。上位2モデルよりも軽く、イヤホンは片側約4gしかないのが特徴。とにかく重さをほとんど感じず(上位モデルでも片側約7gなので十分軽いが)、長時間つけていても疲れや違和感がない、コンパクトなモデルだ。価格が手頃なぶんノイズキャンセリング機能は搭載されていないが、上位モデル同様イヤホンは左右独立受信方式を採用している。

「RZ-S30W」。実勢価格1万3000円

 左右独立受信方式は、Bluetooth(R)信号を左右のイヤホンがそれぞれ同時に受信する方式なので、安定したワイヤレス接続性を実現。一度片側のイヤホンで受信してからもう片方に送信するリレー伝送方式に比べて通信の安定性が高く、混雑した場所などでも音が途切れにくくなるだけでなく、動画視聴時の映像と音声のズレも軽減できる。また、イヤホンに触れるだけで再生、一時停止などの快適操作ができるタッチセンサーも採用している。

リレー伝送方式

左右独立受信方式

 細かいところでは、上位2機種にはないグリーンを選べたり、イヤーピースも「RZ-S30W」だけXSが付属している点も見逃せない。再生時間はイヤホン単体で約7.5時間(AAC)。充電時間はイヤホン+充電ケースの同時充電で約4時間だ。

機能と価格のバランスに優れた中核モデル「RZ-S50W」

 次は上位モデルの「RZ-S50W」「RZ-S30W」と比べるとやや大きいが、それでも重さは片側約7g。この「RZ-S50W」は、騒音の多い場所でもクリアに音楽を楽しめるように業界最高クラスのノイズキャンセリング機能が搭載されているのがウリ。

「RZ-S50W」。実勢価格2万1000円

 パナソニック独自の「デュアルハイブリッドノイズキャンセリング」は、イヤホンの外側にあるマイクで感知した外音をデジタル制御で消すのに加え、イヤホンの内側にあるマイクで、外側のマイクで消し切れなかった外音を、さらにアナログ制御で消す仕組みのこと。そのおかげで、外出先などでの様々な騒音を大幅に低減してクリアな音が耳に届くというわけだ。

デジタル制御とアナログ制御を組み合わせている「デュアルハイブリッドノイズキャンセリング」

 このノイズキャンセリング機能以外にも、無料の専用アプリを使えばいろいろと調節可能。例えばノイズキャンセリングのオン・オフ以外にも、外音取り込みのオン・オフ、イヤホンのバッテリー残量の確認、音量の調節、イコライザーの調節などができる。

専用アプリ「Panasonic Audio Connect」(無料)は「RZ-S50W」「RZ-S30W」に対応。「EAH-AZ70W」は同等の機能を持つ専用アプリ「Technics Audio Connect」(無料)が 対応。 ※表示は「RZ-S50W」の場合

最上位モデル「EAH-AZ70W」はTechnicsブランドから登場

 そして、ハイエンドモデルの「EAH-AZ70W」は、パナソニックの高級オーディオブランド「Technics」から登場。「RZ-S50W」同様、「デュアルハイブリッドノイズキャンセリング」を搭載するだけでなく、TechnicsのHi-Fiオーディオ機器やステレオインサイドホン「EAH-TZ700」の開発で培った音響技術をベースに作られているのが特徴だ。

「EAH-AZ70W」(シルバー)

「EAH-AZ70W」(ブラック)。実勢価格3万1000円

 直径10mmのダイナミック型ドライバー(「RZ-S50W」は8mm、「RZ-S30W」は6㎜のドライバーを搭載)やアコースティックコントロールチャンバーといったイヤホン全体の音響構造設計はTechnicsならではのこだわり。もちろん最上位モデルだけあって充電ケースもほかの2モデルと差別化。アルミ素材が使われ高級感溢れる手触りだ。

高級感溢れるケースは最上位モデルの証!

 再生時間は「EAH-AZ70W」、「RZ-S50W」ともに約6.5時間(ノイズキャンセリングON/AAC)。充電時間は「RZ-S30W」と同じく、イヤホン+充電ケースの同時充電で約4時間だ。  このように三者三様、価格と機能で選べるパナソニックの完全ワイヤレスイヤホンシリーズ。完全ワイヤレスイヤホンを買うならこだわりたい!という人も、とりあえず音が聞こえればなんでもいいと思っている人まで、店頭で一度手に取って試してみてほしい。  ちなみに後者の記者は、試聴会で一目ぼれして、発売と同時に手に入れた。その使用レビューについては、近々紹介したいと思う。 <取材・文・撮影/日刊SPA!取材班> ●パナソニック完全ワイヤレスイヤホン 提供/パナソニック
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