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『半グレ』作者を直撃。平凡な見た目の若者がゲーム感覚で犯罪に…

様相を変える半グレの在り方

 この10年ほどで、半グレの間にも少しずつ変化が見られるという。 「リクルーター、つまり人を集める手配師の存在感が大きくなりました。ツイッターやフェイスブックなどのSNSが発達しましたし、テレグラムやスカイフォンといった匿名性の高い通信方法も増えたので、ヨコのつながりで人や道具を集めて、完全に身を隠した状態で犯罪行為を達成させるケースが増えました。オレオレ詐欺なんかもそうですが、相手の姿がまったく見えないので、よりゲーム感覚で犯罪に手を染められるようになりました」 半グレ かつての半グレは派手なイレズミを彫ってビジュアル的に周囲を威圧したり、時に物理的な暴力を使って物事を遂行することもあったが、近年はより不可視化されているという。実際の戦争でもロボットやドローンを駆使して、人間の姿が見えなくなっているが、裏社会も同じかもしれない。 「この物語の続編を描くなら、アラサーになった主人公のライバルとして、20歳前後の若者を登場させたいと思っています。若いほうの半グレはネット上でしか姿が見えず、実態がなかなかつかめない。ようやく本人を探し当てたら、アキバあたりにいそうな平凡なニーチャンだったという、そんなイメージです」  続編の構想はあるものの、草下氏は「締め切りがないとなかなか書けなくて。原稿料は安くてもいいので、どこかウェブで連載させてくれるところがあったらいいのですが」と苦笑い。発刊できる日が来ることを期待したい。 <取材・文/西谷格> 草下シンヤ氏 出版業界歴20年を超え、裏稼業やサブカル系に精通。『裏のハローワーク』『半グレ』『ハスリンボーイ』『D.O自伝 悪党の詩』『雑草で酔う』『売春島』『ルポ西成』など、ヒット作に多く携わる。文庫化された『半グレ』が好評発売中
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