“阪神タイガース愛”に満ちた辞書が大人気 帯には「六甲おろし」の歌詞が
「紙の本が売れなくなった」と言われて久しいが、辞書業界は『広辞苑』(岩波書店)が今年1月に10年ぶりの改訂を行って注目されるなど、明るい話題も増えてきた。そんななかで、ケース・表紙はタテジマに虎のマーク、帯には阪神タイガースの球団歌「六甲おろし」の歌詞が書いてある、風変わりな辞書の売れ行きが絶好調だという。
その辞書とは、2月28日に発売された『三省堂国語辞典 第七版 阪神タイガース仕様』だ。プレスリリース発表後からかつてないほどの注文があり、発売前に増刷が決定。Amazonの国語辞典ランキングでも発売前に1位を獲得した。
「このアイデアは私のものではなく、営業担当から提案があったんです。全国に1000万人いるといわれている阪神ファンは12球団の中でも特に熱狂的ですから、必ず喜んでいただけるものと思いました」
こう語るのは、この辞書の編集を担当した三省堂の瀧本出版局長。瀧本局長自身も阪神ファンで、「こんな辞書があったら自分も欲しい」と出版を決定したという。
「この『三省堂国語辞典』には本来の編集担当者がいるのですが、これだけは『私がやりたい!』と(笑)」
担当者を差し置いて、瀧本局長自ら編集したこの国語辞典。表紙をめくると、ジェット風船で埋め尽くされた甲子園球場の全景写真が見開きで現れる。
そのほか、本文の用例にも「阪神バージョン」が。例えば、「阪神」の項目。通常版の『三省堂国語辞典』は用例に「阪神工業地帯」とあるが、阪神版は「阪神タイガース、フレフレフレ!」となっている。また「ローマ字のつづり方」のページの「n」の用例では、通常版の「tenki」「sinbun」に対して阪神版は「Hansin」「ganbare」などなど……。
「辞書ですからそんなにふざけるわけにはいきませんが、ところどころにこっそりと“阪神愛”を感じられる用例を入れてみました。ぜひ、探してみてください」
大反響で発売前に増刷が決定
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『三省堂国語辞典 第七版 阪神タイガース仕様』 いち早く新語を収録する生きの良さで知られ、「三国(サンコク)」の愛称で親しまれている国語辞典を、阪神タイガース仕様に変えた、究極の特別仕立て。 ケース、ビニール表紙、見返し、扉など、装丁に阪神タイガースの意匠を使用しました。 中身自体は『三省堂国語辞典 第七版』そのもので、安心してお使いいただける国語辞典です。 |
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