そして当日、衣装を渡され更衣室へ向かった咲子さん。そこで、思わぬ嫌がらせを受けていることを知る。 「私、身長が168センチあるんですが、渡された衣装がSSサイズだったんです。パンツ丸見え、胸はパツパツ、こんなの絶対に着れません」 　彼女は普段Mサイズを着用しているそうで、SSサイズは入るはずがない。手配ミスかと思いAさんに確認すると、“今日の衣装はこれだから”と言われたのだ。 「手持ちの見せパン（パンツ）やブラでは隠しきれません。こんなレベルの低い嫌がらせを最後にされるとは思いませんでした」 　咲子さんは、渡された衣装を更衣室に置き、現場から猛ダッシュで逃げたそうだ。その後、Aさんからの連絡は無かった。しかし、咲子さんのブログに誹謗中傷のコメントが増えたという。 「時期的に、Aさんだと思っています。“ブス”だの“勘違いレースクイーン”とか書かれました。腹が立ちますね」 　咲子さんは現在、今まで通りイベントコンパニオンとして活躍している。 「やり甲斐も大切ですが、搾取されるのは違う。やっぱりお給料なしではやっていけません」 　中には、“無給でも良いからレースクイーンになりたい”と思う女性もいるかもしれない。だが、相手側から同意なく無給を提示されたら、きっと咲子さんと同じ気持ちになる可能性もある。何事も始める前に条件等を確認することを忘れないようにしよう。＜取材・文／吉田みく＞