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コロナ禍で家庭内の性暴力が増加…少女を性的虐待から守るには?

売春特需の陰で漂流する“神待ち”少女たち

 家庭内性虐待のおぞましさには閉口せざるを得ない。だが、そんな彼女たちが家以外に居場所を求め、藁をもすがる思いで誰かを頼ろうとしても、そこにはまた別の罠が待ち受けている。 「家出をしたい少女が、SNSを通じて寝泊まりする場所や食事を提供してくれる人物を探すことを“神待ち”と言いますが、そうした出会いを介した性暴力にも注目してほしいです」  そう語るのは、少女の売春事情などに詳しい文筆業の鈴木大介氏だ。昨年11月、行方不明になっていた大阪府の女児(12歳)が、SNSで知り合った栃木県の不動産業の男(37歳)の家で、別の中学生少女2人と共に生活をしていたという誘拐事件が起きたことは記憶に新しい。 「コロナ禍では、売春斡旋業者の求人増を耳にしました。風俗業界の自粛によって仕事にあぶれた風俗嬢を取り込もうということだったんですが、問題はこれによって業者があえてリスキーな未成年を使う意味を失ったこと。少女たちからすると、Twitterやアプリを介したパパ活や神待ち以外の選択肢を失ってしまったわけです。『管理売春と神待ち行為のどちらがマシか?』というのも悲しい話ですが、斡旋業者が介在することで、客から少女への暴力や脅迫には少なからず抑止力が働く場面もある。なんの後ろ盾もなく、見知らぬ男の家に転がり込む危険性に少女たちは晒されているのです。ただ逆説的に、そんな危険を冒してでも家から逃れたい劣悪な環境にあるとも言えますが……」  若者に人気のアプリTikTokで「神待ち」と検索すると、驚くほどの数が表示される。逃げ場のない無垢な社会的弱者と、それを食い物にする大人の存在。家出少女を巡る闇は深い。 【竹田淳子氏】 虐待やレイプ、薬物依存、服役など波乱の半生を経て、現在はカウンセラーとして風俗嬢から子どもまで幅広い相談に乗っている。占い師としての一面も 【斉藤章佳氏】 榎本クリニックにソーシャルワーカーとして長年勤務、さまざまな依存症問題に携わる。『「小児性愛」という病 それは、愛ではない』など著書多数 【鈴木大介氏】 ’73年生まれ。犯罪する側の論理、犯罪現場の貧困問題をテーマに、裏社会、触法少年少女らを中心に取材。小説『里奈の物語』『最貧困女子』など著書多数 取材・文/アケミン 仲田舞衣
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