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マイケル・ジャクソンに性的虐待されたと新証言が。たとえば星野源ならどう見るか?

 “キング・オブ・ポップ”こと、故マイケル・ジャクソン(1958-2009)の性的虐待疑惑が、ここへきて再燃している。イギリスのチャンネル4で3月6日と7日(現地時間)に放送予定のドキュメンタリー映画『Leaving Neverland』に、マイケルの所有する牧場で虐待を受けたとするいくつかの新証言が含まれているのだ。



 これを受け、イギリスのラジオ局「BBC Radio 2」はマイケルの曲の放送停止を決定した。BBCは「諸事情を考慮の上」と回答しているが、映画の公開が理由だと考えて間違いないだろう。
 一体、『Leaving Neverland』では何が新たに語られているのだろうか? 
 イギリス『The Telegraph』の電子版が詳しく報じている。

男性2人の告発に、マイケルの遺族は「偽証だ」


 振付師のウェイド・ロブソン(36)は、かつて裁判でマイケルによる性的虐待はなかったと証言したひとり。だが、ロブソンによれば、7歳から30歳までの間、マイケルのために偽証をするよう強制されていたのだという。「ウソをついたのと同じぐらいの大きな声で、今回は真実を述べたい」と語り、過去の証言を覆す決意を表明している。

 もう一人のジェームズ・セーフチャック(41)は、当時を生々しく振り返る。マイケルの前でみだらな行為を見せつけると、褒美に宝石をプレゼントされたのだという。ゴールドの指輪は、マイケルとセーフチャックの“疑似結婚式”で誓いの証として交換されたものだというから、ショッキングだ。
 こうした幼少期の体験は、肉体だけでなく精神にもダメージを与えた。マイケルとの交渉から、自分がゲイなのではないかと混乱したロブソンは、成人してから自らを異性愛者だと証明すべく、手当たり次第に女性たちと性交渉せざるを得ない状況に追い込まれたと語っている。

マイケルが死去した2009年6月、世界中が哀悼の声であふれた(C)Julia161

 この新たな証言について、マイケルの財団は「一切の証拠がない」とし、映画は「偽証者の言い分のみを根拠に成り立っている」と切り捨てている。実際、このニュースを報じたBBC NEWS JAPANについたコメントを見ても、日本ではマイケルへの同情に加え、“なぜ今さら告白したのか?”とロブソンとセーフチャックに疑問を投げかける声が目立つ。

犯罪疑惑と作品は別か? 熱い議論が巻き起こっている


 だが、こうした日本のヌルい論調とは対照的に、突っ込んだ議論を展開しているのがイギリスの高級紙『The Guardian(ガーディアン)』だ。
Too big to cancel』との見出しで、マイケル・ジャクソンによる児童への性的虐待はどうやら事実であるらしいと、大々的に報じたのである。それを踏まえたうえで、「それでも私たちは、まだマイケルの音楽を聴くことができるのだろうか?」と投げかけているのだ。

マイケル・ジャクソンと子供たち

1995年、マイケル・ジャクソンと、邸宅ネヴァーランドに招かれた子供たち(C)Imagecollect/Dreamstime.com

 これについて、複数のコラムニスト、音楽評論家などから実に興味深い見解が寄せられている。かつてあんなにも愛聴したマイケルの名盤『Off The Wall』を捨てざるを得なかったと語る者もいれば、「これまで私たちがマイケルから良い影響を受けてきたという事実についても後ろめたい気持ちがないならば、マイケル本人を非難したり、CDを回収したりするのも可能でしょう」と、皮肉まじりに作品と犯罪を区別すべきと論じる者もいた。

 その中で、最も率直かつ公平な意見を展開していたのが、映画批評のシムラン・ハンズだろう。「気休めに、マイケルにかかる汚名と音楽を切り離して、単にポップミュージックのひとつとして再評価するのも違う気がする。さらに言えば、彼の音楽を聴くことすら正しいことだとは思えない」と心境を告白している。続けて、「CDを撤去したりネット上から音源を削除しろと言うつもりはないが、個人的にはもうマイケルの作品と彼の人格に関して折り合いをつけることはできないだろう」と記しているのだ。

 確かに、世間はこれまでもマイケルの業績を称える一方で、性的虐待についても認識してきた。その意味では、『Leaving Neverland』に新たな驚きがあるわけではない。
 にもかかわらず、この映画が受け入れられる時代になったこと自体が、大きな変化なのだと、ハンズは締めくくっている。

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マイケル信奉者の星野源ならどう見る?

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