「泣ける」とSNSで反響の漫画『眠れないオオカミ』。作者が乗り越えたコロナ失業
Twitterに投稿されるや大反響を呼び、現在は第1話が5.7万リツイート、19.2万いいねという驚異的な数字を叩き出している漫画『眠れないオオカミ』シリーズ。
荒野に立つ黒いオオカミ。地面に足がくっついてしまい、身動きがとれないらしい。彼の元を訪れる幾多の訪問者とのやりとりを経て、黒いオオカミはとある白いオオカミとの思い出を振り返る――というあらすじの本作。回を重ねるごとに少しずつ明らかになるオオカミの過去が話題を呼び、Twitter上には「続きが気になる」「涙が止まらない」などのコメントが多く寄せられた。
漫画家活動のかたわらで、他業種の仕事もしていたしたらさん。しかし、この春の新型コロナウイルスの流行によって、大きな打撃を受けたという。
「これまではショッピングモールなどで、スマートフォン販売促進イベントの契約登録作業の仕事をしていました。しかし、新型コロナウイルスが感染拡大していった影響でイベントがなくなってしまい、2ヶ月ほど全く仕事が入ってこない状況になってしまいました。ですが、『これは天命』と思い、漫画家として本格的にやっていく決意をしました」(したらさん、以下同)
また、実質的なデビュー作はこの『眠れないオオカミ』なのだとか。
「これまでには1年ほどかけて、カエルが主人公の70ページほどの作品を描いたことがあります。『漫画界に激震を走らせるぞ!!』と意気込み、3話分描いたところで愛知県から東京の出版社まで、バスに揺られて持ち込みに行きました。編集者の方と連絡先は交換できたのですが、その後のやり取りの中で、編集の方の要望に速度感を持って応えられず自然消滅してしまいました」
そんな数々の苦労の末に描き始められた本作。今では作品が電子書籍化しただけでなく、鈴木おさむさん原案の漫画などの話が舞い込み、見事に漫画家として大ブレイクを果たした。では、その着想の元はどこにあるのだろうか。
「実は1話目を描いたときは、こんなに続く物語になるとは思っていませんでした。ある意味では場当たり的に物語を紡いでいるので、毎回スリリングですね。最初は荒野に立つオオカミのイメージが頭に浮かび、あとはそのオオカミが勝手に喋り出すことで、物語が動き出した感じです」
本作は海外絵本のようなタッチが特徴的だが、どのような手法で描いているのだろうか。
「特別なものは使っていません。“CLIP STUDIO PAINT”という、イラストレーターさんの間では一般的なソフトで描いています。タッチに関しては、もともと絵本を描きたいという想いがあったので、その雰囲気を漫画に持ち込もうとしてあんな感じになっております」
作品の注目度はネット上で日に日に増しているが、実は本作誕生の裏には新型コロナウイルス感染拡大の影響があったという。そこで、今回は作者である漫画家・したら領さん(@shitara_ryo)にインタビューを敢行。いまだ続くこの物語の制作秘話などを伺った。「眠れないオオカミ」① pic.twitter.com/6erGWHIUh2
— したら領 (@shitara_ryo) March 28, 2020
コロナの影響で失業状態となり漫画家の道へ
発想の原点と絵本風のイラストの理由とは?
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