1杯1600円のラーメン、その実力は? 1時間並んで食べてみた
今では完全にブームから文化になっているラーメン。近年「安い」といえないような価格のメニューも珍しくない。
しかし、消費者はラーメンに1000円以上は出さない「1000円の壁」といった言葉も度々語られている。そんな中、それをゆうに超える1600円という高値をつけたラーメン屋がある。本当にその価値はあるのか? 実際に食べに行った。
秋葉原駅から徒歩1分の高架下に店を構える「麺処ほん田 秋葉原総本店」。開店する11:30にはすでに30人あまりの行列ができていた。
筆者も約1時間の行列の末に入店。店内はカウンター5席にテーブルが4卓(12席)とこじんまりした作り。注文したのは看板メニューのひとつである「特製醤油」で、1500円。しかも、麺類はもっとも安いもので1100円。この価格設定、強気を超えて無謀とさえ感じられる。
ただし、そのイメージはラーメンが提供された瞬間に覆される。香ばしい醤油の香りのなかに浮かぶ、あらゆる肉。同店のウリの1つはチャーシューの美味しさで、皮付きの鶏モモと豚肩ロース、豚ロースの3種類が入っている。鶏モモはグリルチキンのようなジューシーさでプリップリ、さっぱりめだが存在感のある肩ロース、柔らかく溶けるようなロースが、一杯のラーメンに全て入っている。
スープも動物系に魚介系を合わせた出汁を使っているとのことだったが、これらのチャーシューの旨味がスープに行き渡り、動物系の印象を強めている。ブームによって裾野を広げたラーメン業界では、一般人気のために甘味や酸味を押し出しているところが多いが、こちらのスープはそれが抑えられ塩気を中心としたソリッドな印象で、迎合しない哲学まで感じられるようでさえある。
そして麺は仕入れたものではなく、自家製麺。店内に製麺室があり、そこでつくられたこだわりの麺が使われている。細麺でつやがあり、ツルツル感が強いので、思い切りすすると食感の良さと醤油の風味が口に広がる。
1000円オーバーなのに…1時間の行列
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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